タクティクスオウガ リボーンはクソゲーか?
ラスボスを倒してクリアしたので、評価やレビュー、感想っぽいことを書く。
ちなみに過去において、スーパーファミコンではプレイしたことがなく、そのリメイクであるPSP版は最後まで遊んだ。
現在、死者の宮殿80Fで力尽きた。
目次
タクティクスオウガ リボーンとは?
タクティクスオウガ リボーンのよくありそうな質問 – LV73.net
良かった点
重厚なストーリー
敵となるそれぞれの人物も、各々が信じる正義で行動している。
主人公デニムも自分の選択した正義を突き進んでいるはずなのに、苦難の連続に巻き込まれる。
このリアリティが、ゲームを遊ぶ者を物語の中へと引き込んでいく。
昨今、「重厚なストーリー」という言葉に何度も騙されてきたが、やはりタクティクスオウガこそ相応しい言葉だと再確認した。
SRPGの傑作
複数のユニットを育てるだけでなく、行動順や配置を考えて動かし、敵を倒す。
育成や戦術の幅広く、勝つために試行錯誤する過程が苦しくも楽しい。
サウンド
どれも何度も聞きたくなるくらい、非常にクオリティが高い。
Chivalry and Svageryが勇ましさと不安感が絶妙に入り交じって、一番好み。
悪かった点
ユニオンレベル(レベルキャップ)と難易度
今作ではユニオンレベルという全体のレベル上限が存在する。
緊張感のある戦闘を楽しめる反面、上限レベルでも困難なステージは多々ある。
本来どうしてもクリア出来ない人のために、レベルアップによる攻略という安易な手段として「レベル」が用意されているはずなのだが、ゲームシステムとしてそれを封じてしまった。
そのため、プレイヤーによってはストレスに感じる人もいるだろう。
ユニオンレベル上限解放も中盤では間延びした区間があり、せっかく戦闘で手に入れた経験値が無駄になる感じ(注1)が否めない。
注1:経験値のチャームに変換されるが変換効率は悪い。
バトルカード
戦闘を開始してから、ランダムで攻撃やクリティカル、スキル発動確率、MP回復を強化するカードが降ってくる。
これらのカードがあまりに強力で、本作に強いランダム要素をもたらしている。
例えば直接攻撃力が上昇するカードを取ると、100ダメージを与えていたユニットが150~200くらいまで増える。
取得出来るかによって火力が劇的に変化するため、もう少しマイルド(10%増しくらい)で良かったと思う。
そのためか、通常攻撃によるダメージがかなり抑えられていて、全体的に長期戦になりやすい傾向にある。
召喚魔法
近接武器や飛び道具、必殺技、通常の魔法よりも、連続攻撃する召喚魔法が火力と射程距離で大きく上回っている。
特に障害物を無視して攻撃出来るため、攻撃は召喚魔法以外、要らなくなってしまっている。
落下による即死
タクティクスオウガではキャラクターのHPが0になっても、すぐにロスト(失われる)ことにはならない。
しかし落下の場合、飛行ユニットを除いて即ロストである。
本来、通常のロストではセリフなどがあって、プレイヤーにロストしたことが伝わりやすくなっているが、落下ではそれがない。
もう少し穏便な扱いにならなかったものかと。
キャラクターと声優のミスマッチ
致命的なレベルで合っていないのがラヴィニス。
ボイスを全部オフにしようかと思ったくらい、チグハグである。
ラヴィニスは若くて凜々しい典型的な女騎士だが、その声は歴戦の猛者か、悪役の女騎士そのもの。
明らかに人選か演技指導ミス。
せめて、やるならセーラーヴィーナスのような声質が欲しかった。
その他
AI
ユニットごとに自動化出来る。
クリアが容易な演習やステージは、AIにすることで操作の手間を省ける。
その存在自体はありがたいが、あまり賢いとは言えない場面が多々ある。
例えば、後列の魔術師・弓兵などが敵のドラゴンなどに急襲されても放置し、ダメージが通りやすい、または弱った敵を優先して狙う。
他にもドラゴンに対して、アクションスキル「ドラゴンキラー」を使った方がダメージが出るのに、なぜか必殺技を使うといった、セットされたスキルを活かせない場面も多い。
そして直接攻撃無効のスキルを使った敵には、攻撃して解除しようとしない。
あくまで補助的な使い方しか出来ないので、あくまで圧勝出来るステージ以外では使いにくい。
完全に任せるのは危険だろう。
C.H.A.R.I.O.T.
SRPGの禁じ手、リロード(セーブ&ロード)を公式で容易に使えるようにした機能である。
操作や判断ミスをなかったことに出来る。
ありがたい。
使い方次第では乱数を調整して確率で発生するオートスキルやクリティカル、レアアイテムのドロップなどをほぼ確実に発生させたり出来るため、まさに使用者がどこまでこれに頼るかが任されている。
初心者が、このやり直し機能を全く使用せずにクリアするのはかなり難しい。
感想
PSP版はクラスごとのレベル管理が、非常に窮屈で失敗以外の何物でもなかった。
開発者もそれを認めており、今回のリボーンはそれを改善して、ユニットごとの管理になった。
PSP版を遊んでいた人間としては、この変更を受けたリボーンこそ、「完全版のタクティクスオウガ」になる…ハズだった。
しかしフタを開けてみるとバトルカードやユニオンレベルという、謎の新要素が追加され、またそれがゲームバランスに与える影響も甚大だった。
新しいシステムに挑戦する姿勢は大事だと思うが、一人のファンとして求めていた要素ではない。
コレジャナイ。
ユニオンレベルも攻略の幅を狭めた印象しか受けず、個人的には不要だった。
良くも悪くも昔ながらの、簡単にクリア出来ないゲームなので、SRPGが不得意な気軽に楽しみたいライトユーザーには向かないかもしれない。
今後のアップデートでユニオンレベルの緩和や、バトルカードや各種攻撃手段の調整が入ると良くなるとは思う。
しかし、不具合以外の修正は考えていないらしく、現状バランス調整は期待出来そうにない。
Steam版ならユーザーが作成したMODという形ではバランス調整を行えるが、もはや改造なので人によっては受け入れられないだろう。
「元」は良かったが、ユーザーの顔を見ずに作ったリメイク、それが「タクティクスオウガ リボーン」。