小説「はだかの太陽」

はだかの太陽〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF) | アイザック アシモフ, 小尾 芙佐 | 英米の小説・文芸 | Kindleストア | Amazon

前作「鋼鉄都市」から続くロボットシリーズ2作目であり、主人公は引き続きイライジャ・ベイリのまま、新しい事件に望む。

あらすじ

ニューヨーク市警の刑事イライジャ・ベイリは、ワシントンの司法次官アルバート・ミニムに呼び出される。宇宙国家から惑星の一つであるソラリアで発生した殺人事件を解決するため、イライジャ・ベイリを指名してきたのだった。また宇宙国家に対して無知である地球側としても、情報収集目的としてもベイリに行くべきだと命じた。

登場人物

  • イライジャ・ベイリ:主人公でニューヨーク市警の刑事。
  • R・ダニール・オリヴァー:オーロラから派遣されたイライジャのパートナーで人間に良く似たロボット。
  • リケイン・デルマー:殺人事件の被害者で胎児技師。
  • グレディア・デルマー:リケインの妻。
  • アルバート・ミニム:司法次官。
  • ハニス・グルアー:ソラリアの国家安全保障責任者。
  • アルティム・スール:ソラリアの医師。
  • コーウィン・アトルビッシュ:ソラリアの国家安全保障責任者代行。
  • アンセルモ・クェモット:ソラリアの社会学者。
  • クロリッサ・カントロ:リケイン・デルマーの育種場での助手。
  • ジョサン・リービック:ソラリアのロボット学者。

感想

ソラリア独特の文化というか風習が面白い。

ソラリアは人間1人に対してロボット1万台が世話をする極度のロボット依存社会になっている。何をするにしてもロボットが手助けしてくれるので、まさに僕のような怠け者にとっては夢の国と言えそう。まさに技術が極端に発展しきった世界を表している。

また、人と直接会うことが非常に好ましくないとされ、他人と話す時には自宅で立体映像による通話がほとんど。触れることはもちろん、同じ空間で空気を吸うことですら、ソラリア人にとっては気持ちの悪いことのようだ。感染症が流行している現在では、むしろ理想的な暮らしとも言えそうだが、ここまで極端に実行できる人はそうはおるまい。

子供も数を制限されており、また自ら育てることはなく、専門の保育施設でロボットが中心となって教育を施す。またソラリア人自体は子供に対して嫌悪感を抱いており、保育施設で働くことは社会奉仕活動に近いとされる。ここまで家族関係が希薄だと寂しいと思ってしまうのだが、同じ発展した遠い将来には起こり得るのかもしれない。

兎にも角にも発展しすぎて、元は同じ人類なのに生活様式が違いすぎるソラリア。前作の鋼鉄都市以上に違いが面白く感じた。

前作ではファストルフ博士の前で見当違いの推理をして、赤っ恥をかいたイライジャ。ただ今作では直接会うことを嫌がるソラリア人に対して強引に対面して、情報を引き出し事件を解決に導いた。相手の文化に逆らって行動することは嫌悪されるので、勇気のいる行為だが見事にやり遂げた。

ちなみにこのソラリア、後の「ロボットと帝国」、「ファウンデーションと地球」にも登場するので、先にこの「はだかの太陽」を読んでおいた方が楽しめる。

働かなくてもロボットが全部、家事とかやってくれるの?サイコーじゃん!

ただ前作の「鋼鉄都市」でハン・ファストルフ博士はこう述べてマス。

生まれた子供は、その成長の段階において、肉体的、精神的な欠陥のあるものをふるいにかけ、成長する前にこれを取り除いて、優秀な人間だけが大人になることを許されるのです。

アイザック・アシモフ『鋼鉄都市』

オーロラでの話デスガ、他の宇宙国家でも同様であることが推測されマス。

もしかして試験で落第したら、殺されるってこと!?

苦痛のない方法で殺されるので問題ないデスヨ。

問題あるわバカ!!

平和な時代に生まれて良かったよ・・・。

現代でも国などの環境によっては、生きる難易度が大きく違いますケドネ。

次作:夜明けのロボット

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