フォーオナーをはじめた
ForHonor(以下フォーオナー)はUbisoftより2017年2月16日に発売された。
フォーオナー: PlayStation®4、Xbox One、PCで2017年発売 | ユービーアイソフト
クリエイティブ・ディレクターであるジェイソン・ヴァンデンバーグ氏の曰く、構想期間も含めて10年は掛かったというこの力作は、最初に発表された時からずっと気になっていた。
アルファテストとベータテストのどちらももちろん参加し、三人称視点による従来になかった剣戟には興奮した。
勢いに任せて製品版も購入したので、早速買おうと思っている諸兄、諸姉に魅力を伝えられればと思う。
もちろん、現状の問題点についても触れたい。
内容
最初に述べた通り、武器を持って戦う三人称視点の言わば格ゲーである。
格ゲーと称したのは、Skyrim(アクションRPG)と比較してである
あちらはFPSに近い感じで、弓や魔法を撃つのには特に何も思わなかったが、剣や斧の近接武器で攻撃した時の手応えのなさがとても気になった。
洋ゲーだからという訳ではないのだけど、斬ったり当てたりという感触をプレイヤーに逐一わかりやすく返すことは、アクションゲームでは大事だと思う。
フォーオナーにおいては、攻撃を当てた、防がれた、回避された時のプレイヤーに対する反応を、しっかり感じることが出来た。
この辺りは、”原田勝弘さん×ジェイソン対談 動画”でも語られているので、時間に余裕があれば是非見て欲しい。
注意が必要なのはオンライン専用ソフトであること。
ネット環境が整っていない場合はそもそもプレイ自体出来ないので、注意して欲しい。
そして格ゲーと同様に、オンラインでの対人戦がメインコンテンツとなっている。
ゲームのモードとしても、1対1の”デュエル”、2対2の“ブロウル”、4対4の”エリミネーション”・”スカーミッシュ”・”ドミニオン”のマルチプレイが中心となっている。
・デュエル
1対1で行われる装備品の補正なしの、純粋な技術の勝負が楽しめるモード。
横から邪魔が入らないので、ほとんど格ゲーに近いモードである。
・ブロウル
2対2のタッグマッチ。
相手一人と向かい合った状態で始まるので、そのまま1対1で戦ってもよし、味方の応援に向かって2対1を作り出すも良い。
処刑や落下していない限り、味方を復活させることの出来るモードでもある。
負けたら味方が不利になるので、とてもデュエル以上に緊迫する。
・エリミネーション
”ブロウル”のステージを広くして、4対4にした感じのモード。
ステージ各所にはステータスアップ系のアイテム(ブースト)が配置され、回収することで攻撃力や防御力、移動力を強化したり、HPを回復したり出来る。
”ブロウル”では仕組み上、難しかった味方の蘇生が十分実現可能になっているので、いかに素早く復活させるか、逆に処刑や落下を狙って相手ヒーローを復帰させないかが、重要になっている。
またここから以降、紹介するモードでは、戦技というスキルが使用可能となっている。
ヒーローごとにバラバラだが、遠距離から相手プレイヤーに致命傷を与えたり、即時回復したりなど様々である。
マッチ中に”名声”を獲得することでレベルが上がり、段階を追うごとに使用できる戦技は増えていく。
強力なものは、一撃で相手ヒーローを倒せるものもあったりするので、人数的な意味も含めて”デュエル”や”ブロウル”以上に激しい展開になりやすい。
・ドミニオン
4対4のモードで、今まで紹介してきたモードと違い、リスポーン(自動復活)が可能となっている。
エリアが設定されているので、エリアをチームで確保し保有し続けることでポイントが入る。
もちろん、敵のヒーローや敵兵(雑魚)を倒すことでも蓄積される。
そのポイントが1,000になると、リスポーン出来なくなる。
いかに相手チームより早く、1,000ポイントを貯めて殲滅するかが大事である。
戦闘が苦手でも、エリアを取っていけば十分勝利に貢献できるため、間口は広いと思われる。
・スカーミッシュ
4対4のモードでドミニオンからエリア制圧をなくして、エリミネーションのブーストを追加したゲーム。
ドミニオンは逆転要素が豊富だったが、スカーミッシュではそれが乏しいので、一方的なゲーム展開になりやすいのは仕方ないところ。
後はソロプレイはもちろんフレンドと協力して楽しめる”ストーリーモード”、自由に設定して対戦出来る”カスタムマッチ”、その他操作方法やシステムを理解するのに役立つ複数の訓練モードもあるので、いきなり対人戦が不安な方でも始められる。
良かった点
今までありそうでなかったゲームであること。
相手の攻撃に合わせて適切な防御手段を選択し、また逆に相手には防御させないように、攻撃を選択する。
そのやり取りがとても緊迫しており、上手く対処出来たときはすごく嬉しくなる。
かつてこれほど格ゲーを含めたアクションゲームで、ガードが楽しいゲームはあっただろうか。
アクションゲームが苦手な人でも楽しめるように、攻撃やガード崩しなどが発生した時に、相手ヒーローにアイコンなどで分かりやすく行動が表示されるのも、よく工夫されていると思った。
ゲーム速度も動画を見る限り、モッサリしているように感じられるだろうが、この速度がプレイヤーが操作する上で、とても絶妙に調整された結果なのだろう。
また1対1の”デュエル”はもちろん、4対4の陣地取りである”ドミニオン”など、プレイヤーを飽きさせないように複数のモードを用意したのも良かった。
対人戦が苦手でも、ドミニオンであれば陣地取りで活躍することも、十分に可能だ。
またフレンドと遊ぶ場合、ストーリーモードからデュエルやブロウル、エリミネーション、ドミニオン、そしてスカーミッシュまで、ほぼ全てのモードで遊べるから、オススメしたい。
私もフレンドとプレイしたいが、今作は一人で遊ぶことになりそうだ(/ω・\)チラッ
悪かった点
残念だが結構ある。
酷い順に紹介すると、まずサーバーの貧弱さ。
近くの地域のプレイヤーなら大抵問題ない。
しかし検索で見つからずに全地域に変更される(設定で”近くのプレイヤーのみの検索”に固定出来ない)と、サーバーからよく切断されたり、他のプレイヤーが抜けていったりする(たぶん相手は不可抗力)。
またプレイヤーが多いモードでも、なかなかマッチングしたいこともしばしばある。
今後のサーバー増強に期待するほかないが、Ubisoftのサーバーはあまり評判が良くない。
「海外ユーザーが考える各社のサーバーのイメージ図」
次に問題なのが、装備品の補正である。
”エリミネーション”、”スカーミッシュ”、”ドミニオン”では、ヒーローごとにカスタマイズした装備に応じて、ステータス補正が付与される。
補正が結構強く働くようで、相手チームのヒーローが初期装備レベルばかりだと、ヒロイック(最高級品)でガチガチに固めれば、キルレシオが15を超えることもしばしばある。
この辺りは設定で、装備補正OFFの項目を用意してもらうなど、初心者やレベルアップ中のキャラでも安心して楽しめるようにして欲しい。
そして、これは人によってだが飽きやすいこと。
基本的に格ゲーと同じく対人戦中心なので、ダークソウル等にあるようなやりこみ要素がない。
とにかく練習し、各ヒーローの対処を身につけ、自分のヒーローの攻撃パターンを構築し、実践する。
その過程が楽しいと思える人は続けられるし、そうでない人はさっさと売り払っていくだろう。
また格ゲーの宿命と言えるだろう、ヒーローごとのバランスもまだまだ調整が必要だ。
この記事を書いている現在(PS4版なのでパッチがまだ来てない)で、強いと言われているのは、
- ウォーデン(騎士)
- ピースキーパー(暗殺者)
- ウォーロード(蛮族)
- 大蛇(侍)
の4つ。
やり込めばどのヒーローも勝てないことはないのだが、特に”デュエル”では差が出やすい。
ドミニオンなどの乱戦では、意外なヒーローが活躍するので、今後のパッチに期待する。
最後に今は気にする必要はないが、オンライン専用ソフトであること。
メンテナンス中は全てのゲームモードで遊べない。
だいぶ先だと思うが、オンラインサービスが終了になった場合、フォーオナーのディスクを投げて遊ぶ以外(ダメ絶対)、使い道がなくなってしまう。
それまでに続編か、飽きてるかだろうけども。
オフラインでも遊べるダークソウル3は、その点において優れていると言えるだろう。
総評
買うべきか否か。
剣劇アクションや騎士に蛮族に侍といった中世の戦士たちなど、構成される要素の一つでも惹かれたらそれはもう買うべきだ。
少なくとも新規の作品なのに、基本的なシステムの完成度の高さには驚かされること間違いなし。
ただ基本は対戦ゲームなので、負けても泣かない、そして向上心あふれる人でなければ長く続かないだろう。
それゆえ、過疎化を心配する人も多く、こればっかりはどうなるか分からない。
しばらくは大型アップデートも用意されているので、そこはUbisoftに頑張ってもらいたい。
シーズンパスはガチな対戦勢の方以外、要らないと思う。
For Honor – Season Pass and Free Post-Launch Content Revealed – UbiBlog – Ubisoft®(英語)
内容は新規ヒーローに1週間前から早くアクセス出来たり、その新規ヒーローの解禁にスティール(ゲーム内通貨)を使用せずに、無償で使えるようになる。
さらに衣装とか貰えるようだけど、個人的に魅力的でなかったし、30日のチャンピオンステータス(時間限定で経験値ボーナスやアイテム等の報酬が増える)も結局スティールで購入可能だから、やっぱりリアル現金(約5,000円ほど)を投入するのは、個人的に躊躇われた。
Ubiはまずサーバーをなんとかしろ、これでオンライン専用ソフトなのだから本当に困る(; ・`д・´)