アーマード・コア6はクソゲーか?
3週目のエンディングまでたどり着いたので、レビューを行う。
ちなみに今までのシリーズ経験は以下の通り。
- アーマード・コア(PS)【AC】
- アーマード・コア プロジェクトファンタズマ(PS)【ACPP】
- アーマード・コア マスターオブアリナーナ(PS)【ACMoA】
- アーマード・コア3(PS2)【AC3】
- アーマード・コア3 サイレントライン(PS2)【ACSL】
- アーマード・コア フォーミュラフロント(PSP)【ACFF】
- アーマード・コア3 ポータブル(PSP)【AC3P】
- アーマード・コア3 サイレントライン ポータブル(PSP)【ACSLP】
- アーマード・コア4 (PS3)【AC4】
- アーマード・コア フォーアンサー(PS3)【ACfA】
- アーマード・コアV(PS3)【ACV】
- アーマード・コア ヴァーディクトデイ(PS3)【ACVD】
記憶があいまいなのだが、AC3とSL、AC4、ACfAは全ミッションSランク取得したと思う。
どのシリーズも対戦はほとんどしていない。
【追記】トロフィーもコンプリートした。
ゲーム紹介トレーラー
良かった点
ストーリー
フリーの傭兵として、互いに敵対している企業や勢力の依頼を受けて、物語が進行する点はいつものアーマード・コア。
ただ自分の選択した結果がどのようになるか、とても気になる展開が素晴らしい。
キャラクターも過去作に負けず劣らず個性的な喋り口調で、プレイヤーの感情に働きかけてくる。
ミッション
過去作と比較しても、ボリュームが多い。
特に今作では2週目や3週目でミッション内容が変化する。
例えばレッドガン部隊と一緒に出撃するミッション「多重ダム襲撃」だが、2週目だと解放戦線から提案があり、雇い主のレッドガンを裏切る選択肢が出てくる。
レッドガンAC2機が相手なので、通常のミッションよりも歯応えのある難易度になり、飽きさせない。
操作性
ロックオン
過去作ではロックオンサイトの中に敵機を入れ続けるという、割と高度な操作が求められた。
今作ではターゲットカメラという、自動でカメラを追尾してくれる機能のおかげで、動きの速い敵機も追えるようになった(右スティックを操作すると解除される)。
近接攻撃
今までのシリーズではブレード攻撃は多少誘導が発生していたが、非常に当てにくいものだった。
まさにミッションか、特に対人戦だと熟練者専用の装備だった。
動きの遅い敵機や大型のボスにはまだ使えるが、普通に動き回るACだと相当練習しないと当てるのは困難だった。
しかし今作では強い誘導が発生するため、誰でも簡単に当てられるようになった。
撃ち合いが主体的な過去作と違って、近接攻撃による爽快感もあってかなり新鮮で面白い。
スタッガー
昔から一応存在していた衝撃力を、プレイヤーに分かりやすい形で上手く表現しており、スタッガーを狙う、阻止するという駆け引きが生まれた。
本作ではいかにACSを削りスタッガーにさせて、大ダメージを与えるかが重要になっていて、単調だった過去作に比べてメリハリが付いたと思う。
ACテスト
ACテスト中にアセンブリが可能になるなど、全般的に非常に使いやすくなっている。
フォトモード
ガレージやミッション、アリーナなどで、フォトモードへ移行出来る。
自機の周囲限定ではあるが、自機や敵機を眺めたり撮影したりと楽しめる。
個人的にこれがアーマード・コア6における、エンドコンテンツだと思う。
ロード時間
AC4やACfAのロード時間は、非常に長く苦痛だった。
しかしアーマード・コア6は、ロードが非常に短く(PS5)、全くストレスを感じなかった。
ミッションのリトライが多いゲームなので、大変助かる。
悪かった点
説明不足のストーリー
もはやシリーズ経験者にとってはお馴染みの、断片的なストーリーが展開される。
プレイヤーの想像力を刺激すると言えば聞こえは良いが、ハッキリと分かりにくくスッキリしないと感じる人もいるだろう。
特にキャラクターに対する扱いが酷く、気付いたら死んでたり居なくなっていたりと、雑だと思った。
武器のバランス
使える武器、使えない武器が明確に分かれる。
単純に攻撃力と衝撃力が高く、命中させやすい武器は強い。
最初のレギュレーション(Regulation Ver1.01)では、アサルトライフルやマシンガン、バズーカといった本来主役になるべき武器がどれも使いにくいものばかりだった。
レギュレーションのアップデートがあるので、今後の修正に期待したい。
それぞれ脚部の種類
二脚は一番豊富だが、逆関節、四脚、タンクは二脚に比べて種類が少ない。
もう少しバリエーションが欲しかった。
各脚部のバランス
逆関節は跳躍力が飛び抜けて優れており、高い機動力を発揮出来る。
また四脚とタンクは反動軽減と姿勢安定性能(対スタッガー)に優れ、さらに四脚は滞空能力、タンクは積載量と防御力がそれぞれ長所になっている。
しかし一番種類の豊富であるはずの二脚は、通常のブースト速度くらいしか優れている点がなく、割と不遇の扱いとなっている。
もう少し機動力や防御力を高くするなど、全体的な二脚の性能底上げが必要だと感じた。
武器のオーバーヒート
戦闘ユーザーインターフェイスの武器のオーバーヒート状況が非常に見づらい。
もう少し見やすくして欲しかった。
ブースト
機体が停止すると、自動的にブーストもOFFにされる。
○ボタンでON・OFF出来るのだから、勝手にOFFにしないでもらいたい。
用語
用語集のように、後で分からない単語などを調べられたら良かった。
それぞれの会話やミッション中に登場する記録から類推するしかないので、整理しないと分かりにくい箇所が多い。
オンライン
協力プレイの廃止
オンライン対戦しかなく、今までにあった協力プレイ(Co-op)は廃止されている。
シングルプレイの体験を大事にする意味で無くしたと思われるが、やはり今の時代ないのはとても寂しい。
レーティングなし
レーティングのような物はなく、勝っても負けても得るものは何もない。
ゆえにモチベーションを維持するのが難しい。
自動マッチングなし
部屋を立てて対戦する(もしくは部屋に入る)しかないので、誰でも良いから対戦したいという場合には不便だった。
1対1
1対1でアセンブリの相性が致命的に悪いと、よほど相手が失敗しない限り覆せない。
2ポイント先取で固定だが、最低でも対戦を2回行うのは苦痛である。
柔軟に勝利ポイント数を設定出来るようにして欲しかった。
チーム
リスポーンが合わせられないため、数が少なくなると一方的に負けやすい。
再出撃のタイミングはプレイヤーが任意で選択出来るようにすべきだった。
観戦
観戦モードではLスティックで視点ユーザーの切替が可能だが、定点視点も欲しかった。
またEN残量や武器の残弾が見られないのも難点。
部屋名などのシステム
部屋名は指定できないし、チャットも僅かな定型文しか使えない。
そのため武器などを制限した対戦などは、フレンドとしか出来ない。
また対戦中に入室した場合、途中から観戦に参加出来ないのも不便。
まとめ
シングルプレイに比べてあまり力を入れて作られていないと思う。
不便な点が多く、あまり楽しめなかった。
クリア後の要素
オフラインでは、パーツ集めと各ミッションのSランク取得(トロフィーコンプ)くらいしかやることない。
またオンライン対戦は前述した通りで、あまり長く遊べそうではない。
音楽
AC3やSL、ACfAなど、耳に残る良いBGMが多かった。
今作はどれも目立たない物ばかりで、改めて聞きたいと思うものは一つもなかった。
どちらでもない点
難易度
チュートリアルのミッションから、射撃だけでは撃ち負けてしまう大型ヘリが登場し、初心者には非常に難しい。
ブレードを使用すれば比較的楽に倒せる相手なのだが、アサルトブーストとブレードを併用するのにある程度の慣れが必要。
チュートリアルなのでもう少し簡単でも良かったと思う。
他にも序盤の難敵「バルテウス」や高火力の六本脚「シースパイダー」、高機動と高火力を両立した「アイビス」などの強敵が多く登場し、初見でクリアするのは困難である。
(注)Regulation Ver1.02.1で上記機体の下方修正が入った。
一方で負けてもチェックポイントからリスタートしたり、アセンブリの変更が可能になっているあたり、過去作に比べてフロムの良心は感じる。
逆に簡単過ぎるとすぐにクリアして、楽しめずに終わってしまう。
ボスの動きになれると案外勝てるようになるし、アセンブリでの難易度を下げられるので、絶妙なバランスだと思う。
総論
10年ぶりの新作だったので、期待があまりにも高く、裏切られるのではないかと心配だった。
遊んでみた結果、それは全くの杞憂だった。
過去作はどれも大きな欠点を抱えていたが、本作はまさにロボットアクションゲームの完成形と言える。
今までのACシリーズの中でも、最高傑作と言ってよい。
長年待ったかいはあった。
難易度の高さやロボットゲーというニッチなジャンルゆえに、誰にでも勧められる作品はない。
逆にハマる人は、トコトンのめり込める中毒性がある。
まだ早すぎるとは思うが、DLCや次作に期待している。