「ウィッチャーⅠ エルフの血脈」の感想を

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ウィッチャーについて
ポーランドの作家によるファンタジー小説。
いわゆる剣と魔法の世界を代表する作品とも言える。
日本では「ウィッチャー3 ワイルドハント」というアクションRPGのゲームによって、認知度が急速に高まったように思う。
僕もウィッチャー3の名前で初めて知ったが、実際にはNetflixのドラマを先に見た。
ドラマの続きが気になったので、原作を読んでみようと思った。
物語
ウィッチャーと呼ばれる怪物退治専門の魔法剣士ゲラルト、亡国の王女でとても強い魔力を持つシリ、美人の魔法使いイェネファーが主人公。
本作はウィッチャーIというタイトルであるが、物語の序盤は夜の野営地で吟遊詩人ダンディリオンとその客らとの会話から始まり、それまでの出来事を吟遊詩人が語る物語や、他の場面での伝聞として紹介される。
ニルフガルド帝国の侵略を受けたシントラ国や、ゲラルトとイェネファー、トリス、ダンディリオンとの人間関係、ソドンの丘での戦いなど、多くの出来事が伝聞という形で語られる。
それらの詳細は短編集を読めという感じらしい。
シントラ国から脱出したシリはゲラルトに保護され、ウィッチャーの本拠地であるキール・モルヘンで魔法剣士としての訓練を受けていた。
ゲラルトに頼まれてやってきた女魔術師トリスからも魔法の訓練を受けたが、「源流」という特殊な素養を持つシリを教えるのは無理だと気づく。
トリスは同じ魔法使いであるイェネファーに協力するようにゲラルトに忠告する。
ゲラルトはメリテレ寺院にシリを預け、またシリを執拗に狙う魔法使いリエンスとその黒幕を探し出すため、旅に出る。
イェネファーはゲラルトに頼まれて、シリに魔法の訓練を施す。
感想
内容的には大人のファンタジーと言ったところで、人の死だけでなく、肉体関係を描写した恋愛模様も描かれている。
いろんな意味で高校生以上に推奨したい。
1冊あたりの分量は多めで、描写も深くなかなか読み応えがある。
癖のある翻訳の「指輪物語」よりは読みやすいが、「ロードス島戦記」よりは読みにくい。
過去の出来事が多く語られ、何が起こったのかおよそ察せられるような配慮がされているが、事前の知識が全くない人が読むとしんどく感じるかもしれない。
またたくさんの人物や地名、固有名詞が登場するため、ウィッチャーという作品に対する愛情がなければ、意外に最後まで読むのは難しそうだ。
ゲームやドラマで先にウィッチャーの世界を体験して、興味を持ったら原作を読むというのが良さそう。