小説「銀河英雄伝説」の薦め
はじめに
・・・。
何を読んでいるのかと見れば、「銀河英雄伝説」じゃないか。
うん、そうなんだけど…。出ている声優さんが豪華って聞いて、アニメから見たけど全然話が分からなくって。
それで原作の小説を読み始めたけど、もっと分からなくなっちゃった。登場人物の名前は長いし、登場する人も多いし。難し過ぎるよ、コレ。
なるほど、ロボットに読むのを手伝ってもらったらどうだ?
ワタクシ、銀河英雄伝説はあまり興味がないのデスヨ。未来世界の物語なのにロボットが一切出てこないノハ、信じられマセン。
…なんてこった。それはもったいないな。
概要
- 銀河帝国(ゴールデンバウム朝)と自由惑星同盟の設立
- アスターテ会戦
- ラインハルトの幼少期
- ヤンの幼少期と士官学校、エル・ファシルの戦い
- イゼルローン要塞陥落
- アムリッツァ会戦
では簡単に1巻の概要を中心について説明しよう。1巻の黎明篇では、2人の主人公であるラインハルト・フォン・ローエングラムとヤン・ウェンリーの過去や、互いに所属している銀河帝国と自由惑星同盟の成り立ち、そして序盤の攻防が書かれている。
過去と今を行ったり来たりしてるから、分かんなくなっちゃう。アニメだとすぐに戦いが始まっちゃうし。
アスターテ会戦まで
地球から銀河系へ進出していった人類だったが、政治家や企業の汚職が蔓延り、停滞していった。
民衆は強い指導者を求め、そこへルドルフ・フォン・ゴールデンバウムが現れる。
軍人として成功した彼は政治家へ転身し、圧倒的な支持を得て、ついには民主主義を廃し自ら皇帝になる。
皇帝によって汚職は一掃されたものの、人類繁栄のために自身の方針に反対・批判する者を弾圧し、また障がい者や貧困層などの社会的弱者を切り捨てる強硬な政策を取る。
そんな中、弾圧された指導者アーレ・ハイネセンらが、帝国を脱出し、遠く離れた惑星で自由惑星同盟を設立する。
それから約100年後、銀河帝国と自由惑星同盟の長い戦いが始まるのであった。
始まりこそ君主を持たない民主主義だったが、汚職が相次ぎ人々は強力な指導者が求めた。
それがルドルフね。
そうだ。確かに彼は改革に成功したが、一方で反対派や弱者に厳しく、苛烈なまでに弾圧を繰り返した。結果として40億人もの死者を出すことになった。
今の地球の人口って何人くらい?
約80億人ですから、その半分ってことデスネ。ちなみに作中の銀河帝国の人口は3,000億人ですから、それと比較すると少ないのかもシレマセン。
スケールが大き過ぎる…。
そういえば地球だけど、最初しか書かれてないよ。もう登場しないの?
銀河英雄伝説においても地球は重要な存在だが、それが主題に取り上げられるのはもう少し後の話になる。
ワタクシも質問がアリマス。ワープや重力制御まで開発して、ロボットが生み出されなかったのは何故デスカ?
あくまで、「銀河英雄伝説」という作品は登場人物たちの人間関係や心の葛藤などをテーマにしているからだろう。ロボットが登場しては、作品のテーマから逸脱してしまうからな。
ラインハルトの過去
落ちぶれた下級貴族のミューゼル家が、ジークフリート・キルヒアイスの隣の家に引っ越してきた。
姉弟の姿を見て感銘を受け、親しくなるキルヒアイスだが、ある時に姉のアンネローゼが皇帝の寵姫へと召し上げられてしまう。
弟のラインハルトは出世して姉を取り戻すことを誓い、キルヒアイスに手伝うことを頼む。
本人の実力とキルヒアイスの助力、そして側室の弟という立場をも利用して、異例の出世をする。
ラインハルトはお姉さんを皇帝に取られたから、メチャクチャ怒ってるんだね。
宮廷に招かれたと言えば聞こえは良いデショウケド、本人の意識を一切無視した人身売買デスカラネ。宇宙に進出してもやっていることは中世と変わりマセン。
ヤン・ウェンリーの過去
交易商人の一人息子だったヤン・ウェンリーだが、父が事故死したため、金銭的に困って大学へ進学できなくなる。
歴史を学びたかったヤンは、士官学校の戦史研究科への入学を決める。
しかし入学後、戦史研究科が廃止されたため、他に成績の良かった戦略研究科への転科を勧められ、渋々了承する。
卒業して1年後に前線勤務を命じられ、そのエル・ファシルで起きた戦いで活躍をし、一躍有名になる。
最初から軍人になりたかった訳じゃないんだ。
能動的なラインハルトに比べても、ヤン・ウェンリーは控えめな人物として書かれている。ただ士官学校時代やエル・ファシルの一件から、非凡な戦術・戦略における能力を持っていたことが分かる。
ラインハルトは肉食で、ヤンは草食って感じね。
アスターテ星域会戦
いよいよ同盟と帝国の戦争が始まるね。
帝国が同盟を討伐するための遠征だ。攻め込む帝国が2万隻に対し、守る同盟側は4万隻と数では圧倒的に同盟側が有利だった。
え、でも同盟軍が負けそうだよ。
ラインハルトは同盟の各艦隊が集結する前に、各個撃破していく戦術をとることで、数の優位を逆転させた。
ヤンがちゃんと警告しているのに、上の人が全然聞いてくれない!ばかじゃん!
ヤン・ウェンリーは事前にラインハルトの戦術を見抜いていた。しかし年配の艦隊司令官パエッタは、若いヤン・ウェンリーを妬んでいたため、進言を聞き入れることはしなかった。それゆえ、同盟は将来有望なラップ少佐らを含めた貴重な人材や戦艦や駆逐艦と言った戦力を大量に失ってしまう。
でも、ヤン・ウェンリーが指揮をし始めたら、何とか艦隊は脱出出来たみたい。
第7次イゼルローン要塞攻略
アスターテ会戦で大損害を被った同盟だが、政府はヤン・ウェンリーの功績を称えて、意図的に大衆の視線を逸らすようにした。
気にくわないヤン・ウェンリーだが、昇進と共に通常の半分である半個艦隊を与えられて、イゼルローン要塞の攻略を命じられてしまう。
イゼルローン要塞は強固な防御力と要塞砲で知られ、過去にも大兵力を動員するも失敗してきた。
まさに非常識な命令ではあったが、ヤン・ウェンリーには勝算があった。
準備を整え、イゼルローン要塞へ向かうヤン・ウェンリー艦隊だった。
宇宙版の孔明みたいな人だね、ヤンは。普通は出来ないと思うようなことを、やっちゃうんだから。
それも銀河英雄伝説の魅力の一つだ。常にヤン・ウェンリーは不利な状況に置かれているが、優れた戦略と戦術によって、解決していく。
アムリッツァ星域会戦
イゼルローン要塞攻略の成功を受けて、勝利に沸く同盟。
ヤン・ウェンリーはイゼルローン要塞攻略によって帝国と講和することを期待していたが、支持率が低下している評議会の政治家らが選挙のために帝国領への遠征を決定してしまう。
これに対して帝国で軍を掌握していたラインハルトは、恐るべき作戦で迎撃をする。
またヤンが作戦会議で補給が危ないって言ってるのに、無視された!同盟の偉い人はみんなバカじゃん!
「みんな」というのは主語が大きいが、空想論ばかりの中身がないフォーク准将やその作戦を受け入れたロボス元帥、相手の失敗を前提にしているグリーンヒル大将の責任は重い。
それから
着々と優秀な人材を集め、帝国を掌握していくラインハルト。
一方のヤンは、政治家に足を引っ張られながらも民主主義を大切西、帝国と戦っていくことになる。
同盟と帝国、ヤンとラインハルトの戦いは続く。
え、続きはどうなるの?
気になってきただろう。結末は小説やアニメで見て欲しい。
アニメや漫画はリメイクされているヨウデ、いくつか種類があるみたいデスネ。
新しいメディアも表現力が向上して良いのだが、完結していないことがある。原作小説や旧アニメなら、最後まで見られるぞ。
頑張って読もうっと!