モンスターハンターワイルズの感想

モンスターハンターワイルズでやることが無くなったので、感想でも書こうと思う。
目次
モンスターハンターワイルズとは?
モンスターハンターワイルズ(MHWilds)は、モンスターハンターライズ:サンブレイクの次作であり、派生作品ではないメインシリーズの最新作として登場した。
初のクロスプラットフォームに対応しているため、PlayStationとXbox、PCの全てのプラットフォームのプレイヤーと遊ぶことが可能になっている。
最大の特徴は拠点とフィールドがロードなしで繋がっていること。
さらに他のフィールドとも細い道で繋がっているため、歩いてほとんどのフィールドをロードなしで移動することが可能になっている(一部決戦・闘技場フィールドを除く)。
その他の点については、良かった点や悪かった点などで取り上げたい。
良かった点
集中モード
画面上に照準が表示され、その方向に攻撃やガードが出来るようになった。
今までのシリーズでは攻撃の最中に攻撃方向を変えられなかったため、コンボが途切れる、止めなくてはならなかった。
集中モードを使うことによって、コンボ途中でモンスターが移動して位置がズレても容易に方向転換が出来るようになった。
傷口
モンスターを攻撃し続けると傷が発生する。
通常は視認しにくいが、集中モードだと赤く(歴戦個体の一部傷口は青く)光る。
集中モード時だけ出せる「集中弱点攻撃」を行うことで、自動的に派生攻撃が出て大ダメージ+ダウン(orよろけ)を与えられる。
これによって戦闘にメリハリが出て、プレイヤーは爽快感が得られる。
ジャストガード
タイミング良くモンスターの攻撃を(ガード可能な武器で)ガードすることで、ジャストガードが発生する。
通常は発生する削りダメージを無効化したり、ガード時の硬直を抑えるだけでなく、ジャストガード専用の強力な反撃技まで出せる。
元々ガード性能が低い片手剣は特に恩恵が大きい。
奇襲攻撃
モンスターに見つかっていない状態で、特定のボタン(デフォルトでPSだと○、XboxはB)を押すと奇襲攻撃が発生する。
見つからずにモンスターに接近するというメリットが増えた。
FF(フレンドリーファイアー)の緩和
以前は他のプレイヤーによるガンランスの砲撃やハンマーのスタンプ攻撃でふっ飛ばされることがあったが、それらが緩和された。
また僅かに残ったFFリアクションも、緩衝スキルによって無効化出来る。
おかげで他のプレイヤーに気を遣うことなく、好きな武器でガンガン攻撃出来るようになった。
悪かった点
主人公の女性の声
現状は1択(タイプ6)という状態である。
一応、女性向けには3種類用意されているが、他の2種についてはかなり癖が強く、選んでいる人は極一部だと思われる(オンライン上でマッチングした別プレイヤーを見る限りほとんどがタイプ6)。
ストーリーで主人公がかなりの量を喋るため、後からDLCという形での追加は絶望的と思われる。
いっそストーリーで一切喋らなくても良い、もっと言えば日本語でなくモンハン語で良く、その分浮いたリソースでもっといろんな声優のパターンを増やして欲しかった。
ボイス音程でバリエーションをむりやり増やしているのだが、あまり変えすぎると自然さが失われて違和感が強くなる。
正直に言って、ボイス音程は見せかけの種類を増やすだけの手抜きとしか思えない。
拘束時間の長いストーリー
無駄にフィールドを強制的に歩かせる場面が多い。
「綺麗なフィールドを作ったのでじっくり見て欲しい」という開発陣の望みだと思うが、これは押しつけがましくナンセンスである。
1回目はまだ良いかもしれないが、別のキャラを作って最初からやるときはストレスしか感じなかった。
スキップの選択肢を作るべきだった。
武器と防具のスキル
ワイルズでは、武器用と防具用でスキルを分けられてしまった。
【武器用スキルの例】
- 攻撃
- 匠
- 達人
- 砲術
- KO術
- ガード性能
- 砥石使用高速化
- 抜刀術
- 弾道強化
- 強化持続
【防具用スキルの例】
- 回避性能
- 広域化
- 渾身
- 弱点特攻
- スタミナ急速回復
- 整備
- 重撃
つまり武器に依存するスキルは武器用に、それ以外は防具用に、という感じになったのだろう。
攻撃スキルは武器に依存していないと思うが、その辺はよく分からない(防具用スキルなら必須スキルになったからか?)。
スキルの組み合わせが限定されてしまっていて、スキルを組み合わせる自由度は下がってしまった。
結果的に防具の選択肢も狭めて、ゲームの寿命を縮めることにもなっている。
弱すぎるモンスターたち
大半のモンスターの体力はかなり低く設定されており、また攻撃力もかなり控えめで、今までの作品に比べて力尽きることは少ない。
モンスターが弱すぎるせいで、ほとんど麻痺の片手剣だけでクリアし、弱点となる属性の武器を作ろうと思わないほどだった(今作の麻痺武器が強すぎるのも原因かもしれない)。
プレイヤーに対する殺意を感じられたのはゴアマガラくらい。
挙動が怪しいセグレト
自動的にモンスター(もしくは設定した目標)へ運んでくれるタクシーみたいな存在だが、時々右往左往することがある。
またセグレトでもたどり着けない場所があるらしく、崖に向かって延々と走り続ける奇行を見せる。
焼き増しモンスター群
今作では狂竜化に護竜、歴戦個体と言ったバリエーションがあり、別種類のモンスターとして扱われる。
つまり見た目はそれほど違いはなく、一部違う攻撃手段を使用してくるだけなので、焼き増し感が強い。
アーティア武器
ワイルズのエンドコンテンツだと思われるのが、「アーティア武器」と呼ばれる歴戦個体が落とすアイテムを組み合わせて作る武器だろう。
一番強い歴戦個体が落とすアイテムで作る武器しか価値がないので、必然的に最終盤に登場するモンスターの歴戦個体を狩り続けることになる。
自然と同じ一部のモンスターしか狩ることがないので、非常に飽きやすい。
また最高のアイテムを使ったとしても、通常の生産武器を上回るとは限らず、上回ったとしてもそこまで決定的な差が出る訳でもない。
そして今作はモンスターが弱いため、膨大な時間と労力を使ってまで、作る必要が生じていないということも悲しい。
武器の着せ替え
武器の見た目が気に入らないものが多いので、見た目だけ別の武器に出来るようにして欲しかった。
ただこれは過去作でも行われているため、今後のアップデートで実装される可能性が高い。
総評
ワイルズのアクション面は非常に洗練されていて、これだけ長いシリーズ作品をやっていても、新鮮さがあってとても楽しめた。
しかしボイスの選択肢、自由度の減ったスキルシステム、弱体化したモンスターなど、過去作に比べて劣っている点も多々ある。
逆に言えば、悪かった点が全てなかったなら、モンスターハンターシリーズにおいて最も優れた作品だと言い切れただろう。
アップデートで修正可能な部分については改善が見込めるかもしれない。
ただボイスとスキルに関しては致命的で、おそらく修正は絶望的だと思われる。
それだけに開発スタッフの中で、これらの点を誰も指摘しなかったことが悔やまれる。
現時点で点数を付けるなら60点くらいで「佳作」と言うべきだろう、本当に惜しい。
今後のアップデートで期待している。