「大人はね ずるいんだよ」(漫画『ギャグマンガ日和』より)

「大人はね ずるいんだよ」(漫画『ギャグマンガ日和』より)
「大人はね ずるいんだよ」(漫画『ギャグマンガ日和』より)

漫画『ギャグマンガ日和』より、こんちゅうはかせがトオル君に言い放ったセリフである。

出典

Amazon.co.jp: 増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和 2 (ジャンプコミックスDIGITAL) 電子書籍: 増田こうすけ: Kindleストア
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解説

この台詞は、小学三年生のトオル君がアカトンボにまつわるクイズで全て不正解にされ、抗議した際に返された開き直りの一言である。

「大人はね ずるいんだよ」という一言には、大人の狡猾さ・無責任さ・理不尽さが凝縮されており、それを悪びれもせず自覚的に語るところに、こんちゅうはかせのひねくれた人間性が表れている。

この発言は、本来なら知識を与えるべき「博士」の立場でありながら、クイズの正解を意図的に外し、子どもを煙に巻くという欺瞞的な態度を正当化するものでもある。

その背景には、はかせの甲斐性のなさ(年収3万円)や家庭不和(娘に嫌われている)といった現実的な敗北があり、そうした社会的劣者の皮肉と自嘲が、重低音の声とともににじみ出る。

現代社会においても、「大人はずるい」という感覚は、理不尽なルールや不透明な権威に直面する若者たちの共通体験でもある。

このセリフは、その不信感をコミカルに、しかし痛烈に突く一撃である。

例えるなら、就職活動で「人物重視」と書きつつ学歴で落とす企業に対する若者の苛立ちや、選択肢のない選挙における形式的な投票などにも重ねられるだろう。

結局のところ、「大人はずるい」とは大人が子どもに真実を隠し、力関係を利用する構造そのものへの指摘である。

それをあえて誇示するこんちゅうはかせの姿は、ナンセンスギャグの仮面を被った社会風刺とも言える。

非常に汎用性の高い名言であり、実生活において、とても使い勝手が良い。

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