「汚物は消毒だ~!!」(漫画『北斗の拳』より)

「汚物は消毒だ~!!」とは、漫画『北斗の拳』第1部・聖帝編において登場した雑兵キャラクターの放った、あまりにも強烈かつ印象的な一言である。
出典

解説
聖帝サウザーの軍勢が支配する荒野の一場面において発せられたものである。
このセリフの発言者は、正式な名前を持たないモヒカン頭の兵士であり、火炎放射器を装備して民衆を「汚物」呼ばわりしながら焼却するという暴力と狂気を体現した存在である。
その容姿は、極端に逆立ったモヒカン、垂れた眉、サングラスという強烈な個性を持ち、登場はわずか6ページに過ぎないものの、読者に与えるインパクトは絶大である。
このキャラクターは、聖帝サウザーの御視察に先立ち、道を清める名目で民衆を土下座させ、少しでも遅れた者に対して容赦なく火炎放射器を向けるという冷酷非道な振る舞いを見せる。
その際に発せられたのが、まさに「汚物は消毒だ~!!」というセリフである。
これは暴力の正当化であり、非道な行いを正義にすり替えるための象徴的フレーズとして機能している。
そしてその直後、主人公ケンシロウにより「おまえのいうとおりだ。汚物は消毒すべきだな…」という皮肉な返しとともに、火炎放射器を奪われ、自らが焼かれる末路を迎えることになる。
本キャラクターは登場シーンこそ短いが、その異常性・残虐性・滑稽さが絶妙に交錯しており、インターネットや二次創作、ゲーム作品などで極めて高い人気を博している。
『北斗無双』や『北斗が如く』といったゲーム作品においても敵キャラとしてたびたび再登場し、火炎放射器を振り回すというスタイルが継承されている。
また、ギャグ作品『拳王軍ザコたちの挽歌』や異世界パロディ『天才アミバの異世界覇王伝説』にも「火炎魔導師オブツワ・ショードク」として登場するなど、ただのモブキャラにとどまらない文化的影響力を発揮している。
その名言「汚物は消毒だ~!!」は、現代においてもインターネット上での掲示板や動画のコメントにおいて引用される常套句となっており、「GTA」「バイオハザード」「怒首領蜂」などの関連作品においてもしばしば言及される。
世紀末の狂気を象徴する言語記号として、またブラックジョークの形で用いられる一種の「ミーム(文化的遺伝子)」と化していると言ってよい。
このように「汚物は消毒だ~!!」は、暴力による支配、人間の堕落を誇張して描いた北斗の拳という作品世界の縮図ともいえるセリフであり、単なるギャグやネタを超えて、作品全体の主題を強烈に表している。