「判断が遅い」(漫画『鬼滅の刃』より)

「判断が遅い」(漫画『鬼滅の刃』より)
「判断が遅い」(漫画『鬼滅の刃』より)

漫画『鬼滅の刃』にて登場。

主人公・竈門炭治郎(かまどたんじろう)の師匠である鱗滝左近次(うろこだきさこんじ)が、初めて彼に本格的な覚悟を問いただす重要な場面で放った言葉である。

出典

Amazon.co.jp: 鬼滅の刃 1 (ジャンプコミックスDIGITAL) 電子書籍: 吾峠呼世晴: Kindleストア
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解説

鱗滝は、太陽の光によって鬼が滅びた直後、炭治郎に向かってこう問うた。

「妹が人を喰った時、お前はどうする?」

漫画『鬼滅の刃』より

鬼となった妹・禰豆子(ねずこ)を連れて旅をするというのは、それ自体が「極限の覚悟」を要する行為である。

しかし炭治郎は即答できず、言葉を失う。それを見て鱗滝は彼の頬を平手打ちし、こう叱責する。

「判断が遅い」

漫画『鬼滅の刃』より

この一言は、単なる反射神経の遅さを咎めているのではない。

命のやり取りをする鬼狩りの世界においては、判断の遅れが死を招く。

そして、何より大切な妹が人を喰ったときにどうするか。

それを瞬時に決断できない者は、他者の命も、自身の信念も守れないという戒めである。

鱗滝は、「妹を殺す」「お前は腹を切って死ぬ」とまで明言し、禰豆子を連れて歩くという選択の重さと、その責任の全貌を炭治郎に突きつけた。

この言葉の裏には、優しさと厳しさを併せ持つ師としての覚悟がある。

炭治郎の性格が誰よりも優しいことを見抜いている鱗滝は、その優しさが判断を鈍らせ、いずれ禰豆子だけでなく無関係な人々の命まで奪う可能性があることを強く警告したのだ。

その後も、鱗滝は炭治郎を鬼殺隊へと送り出しつつ、禰豆子を「人を襲えば即刻死」という制約のもとで見守り続ける。

これは、禰豆子を殺さなかった冨岡義勇と鱗滝左近次の“共犯の覚悟”の表れでもある。

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