CentOS Streamについて調べてみた

CentOS

The CentOS Project

CentOSprojectが現行のCentOSからCentOS Streamに移行するらしく、ネットでニュースになっている。楽観的に捉えている人と怒っている人と様々な反応なので、調べてみた。

CentOSって?

Linuxディストリビューションの一つ。元々UnixというOSがあったのだが、ライセンスが高価だったため、1990年代にリーナス・トーバルズが中心となってLinuxを開発したとされる。

ディストリビューションはOSであるLinuxに、すぐに使用できるよう他のソフトウェアをまとめたものである。様々なソフトウェアの組み合わせたりや最新のバージョンを制御することで、利用者の目的にあったディストリビューションが多数存在する。

CentOSはその数多くあるLinuxディストリビューションの一つで、Red Hat Enterprise Linux(以下RHEL)から有償ソフトウェアやサポートを除いたもの。堅牢さがウリのRHELを無償で利用できるということで人気がある。

実はこのブログもCentOS上で稼働している。

FAQ – CentOS Project shifts focus to CentOS Streamの一部翻訳

FAQ – CentOS Project shifts focus to CentOS Stream

Q1:CentOSの将来は何ですか?

A:「CentOS」(Community ENTerprise Operating System)という言葉は、Red Hatエコシステムにおける信頼性の高いLinuxディストリビューションを長い間意味してきましたが、テクノロジーを作成して使用する人々も意味します。 プロジェクトの焦点としてのCentOSStreamへのこの移行により、CentOSコミュニティは引き続き同じ機能をLinuxディストリビューションに提供します。 CentOS Linuxユーザーの場合は、心配しないでください。 将来、ここにCentOSディストリビューションがあります。

私たちの目標は、コミュニティの影響をより受けやすいディストリビューションを用意することですが、セキュリティ、安定性、および明確な開発者ワークフローに重点を置いたままにすることです。

Q2:CentOS Linuxの他のリリースはどうですか?

A:CentOS Linux6ディストリビューションのアップデートは2020年11月30日に終了しました。
CentOS Linux 7ディストリビューションのアップデートは、RHEL7のサポートが終了するまで以前と同じように継続されます。
CentOS Linux 8ディストリビューションのアップデートは、2021年の終わりまで続きます。 ユーザーはCentOSStream8に直接切り替えることを選択できます
CentOS Stream 8ディストリビューションの更新は、完全なRHELサポートフェーズまで継続されます。
RHEL 9の再構築として、CentOS Linux9を作成することはありません。代わりにCentOSStream9がこの役割を果たします。 (同時ストリーム間のオーバーラップについては、以下のQ6を参照してください。)

Q3:Red Hat Enterprise Linuxのソースコードは引き続きgit.centos.orgに表示されますか?

A:はい、Red Hat EnterpriseLinuxのソースコードは引き続きgit.centos.orgで公開されます。ソースコードの公開方法については何も変わりません。この変更は、CentOSプロジェクトが構築しているバイナリとそれらの公開方法にのみ関連しています。

Q4:CentOSストリームで共通脆弱性識別子 (CVE)はどのように処理されますか?

A:セキュリティの問題は、現在のRHELリリースで解決された後、CentOSStreamで更新されます。明らかに、制限されたセキュリティリリースは、制限が解除されるまで公開できません。タイミングに関するSLAはありませんが、Red Hat Engineersは、これらのリリースに対して他のパッケージを構築およびテストします。それらが更新をロールインしない場合、それらが構築する他のソフトウェアが影響を受ける可能性があるため、やり直す必要があります。したがって、他のビルドに影響を与えないようにこれらの更新を取得することには既得権があり、セキュリティ更新の取得に問題はないはずです。

Q5:これは、CentOSStreamが現在RHEL BETAのテストプラットフォームであることを意味しますか?

A:いいえ。CentOSStreamはRHELよりも先に修正と機能を取得します。 一般的に言って、CentOS Streamは時間の経過とともにバグが少なくなり、ランタイム機能が増えると予想されますが、RHELリリースに何が入るのかを常に直接示します。

Q6:8、9、10などの個別/並列/同時ストリームはありますか?

A:各メジャーリリースには、CentOSLinuxが現在構築されている方法と同様のブランチがあります。ただし、CentOS StreamはRHEL開発に重点を置くように設計されているため、CentOSプロジェクトのマーケティングに重点を置くのは最新のStreamのみです。

RHELの開発サイクルは重複しているため、開発中に同時に複数のコードブランチが存在する場合があります。これにより、ユーザーは突然の変更に驚かされることなく、移行と開発作業を計画する時間を確保できます。

具体的には、RHELのリリースリズムは3年ごとであり、完全なサポート期間は5年であるため、これにより、あるストリームと次のストリームの間で約2年のオーバーラップが発生します。

Q7:CentOS Linux8インストールをCentOSStreamに移行するにはどうすればよいですか?

A:CentOS Linux8ディストリビューションからCentOSStream 8に変換する手順は、https://www.centos.org/centos-stream/で公開されており、便宜上以下にもあります。

root@centos-linux# dnf install centos-release-stream

root@centos-linux# dnf swap centos-{linux,stream}-repos

root@centos-linux# dnf distro-sync

root@centos-stream# cat /etc/centos-release
CentOS Stream release 8

これにより、いくつかのパッケージの更新と新しいパッケージがインストールされますが、これは予想どおりです。

なぜみんな怒っているのか?

CentOS 8のサポート期限について

今回の発表で「2021年の終わりまで」で打ち切ると言われ、その後はCentOS Stream 8を使ってねとのこと。CentOS 8を導入した人は、RHEL 8のサポート期限である2029年5月までサポートが続くことを期待しいたはず。まさに寝耳に水だっただろう。

個人で利用している分には残念で済むが、企業で顧客を相手にサポート期限を説明してCentOSを導入していたユーザーもいるだろう。割と悲惨。

CentOS Stream 8は駄目なのか?

Q5でCentOS Streamはベータテストでないと否定している。しかしCentOS StreamはRHELよりも先に機能追加と修正を行うと言っている。これはRHELのクローンとして選んできたCentOSユーザーの目的に反する。いや、これはどう見てもベータテスト代わりに使われるのだろうと。

RHELのシェアが少なくてCentOSから奪いに来た?

CentOSは堅牢さが存在意義であったにも関わらず、それをStreamで失ってしまうと多くのユーザーば考えている。堅牢さが欲しければ、RHELを使えというRed Hatの意思なのだろうか。

感想

現在使用しているのはCentOS 7なので、2024年6月30日までサポートが続くことが保証されている。反対する署名活動も行われているようなので、今後のCentOSプロジェクトの動きを注視したい。

Ubuntuやキャンペーン · Do not destroy CentOS by using it as a RHEL upstream · Change.org

Gregory Kurtzer氏が発表した本来のRHELクローンとしてのディストリビューションとしてRocky Linuxにも注目したい。

Rocky Linux

またこれを機にシェアトップのUbuntuに移行するのも悪くないかもしれない。ネット上の情報も多いし。

Usage Statistics and Market Share of Linux for Websites, December 2020

今回の話、日本語なのに1ミリも分からなかった。

全部一から解説すると大変ですカラネ。またそれは別の機会にしまショウ。

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