「ありがとう 最高の褒め言葉だ」(漫画『ギャグマンガ日和』より)

漫画『ギャグマンガ日和』より、こんちゅうはかせがトオル君に言い放ったセリフである。
出典

解説
この台詞は、トオル君に向かって罵倒されたこんちゅうはかせが怒るどころか満足げに返すという、彼の捻くれた性格を象徴する一言である。
本来なら侮辱や非難に対して傷つくところを、あえて「ありがとう」と受け止め、それを「最高の褒め言葉」と称賛するこの態度には、反転した価値観が垣間見える。
この言葉には、自分が「変人」「卑怯者」「ずるい大人」であるということを自覚し、むしろ誇りとしているこんちゅうはかせの歪んだ自己肯定感が表れている。
例えば、「変態」と娘に呼ばれても気にしない彼にとって、社会的な非難や軽蔑は、他人とは違う自分を証明するバッジのようなものなのだろう。
それは、社会的に敗者でありながら、強烈なアイロニーと開き直りで生き延びる術でもある。
またこの台詞は、常識を疑うギャグ作品において、「善悪や褒貶の境界を曖昧にする」という作風の一端でもある。
「褒める」と「貶す」の意味が反転していることで、視聴者に笑いと違和感の両方を与える。
現実世界でも、理不尽な上司や逆ギレする大人に出会った際に、「最高の褒め言葉だ」と言われてしまえば、怒る側が戸惑ってしまう。
これは一種の精神的カウンター技でもあり、強者のメンタリティを疑似的に演出する台詞とも言える。
要するに「ありがとう 最高の褒め言葉だ」とは、恥や否定を力に変える皮肉の魔法であり、それを真顔で語るこんちゅうはかせこそ、ひねくれきったギャグ世界の申し子である。
非常に汎用性の高い名言であり、実生活において、とても使い勝手が良い。