「父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え」を読んで
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内容
- 収入より支出を少なくする。
- 余った分をインデックスに投資する。
- 借金(ローン)はしない。
例えや細かい試算の話も多いが、基本的に言っていることはこれが全て。
感想
概ね言っていることは正しいと思う。
金持ちが金持ちたる所以は、単に収入が多いことだけでなく、資産を活かす知識と計画性を持っていることにある。
余ったお金を株式などの投資の他、教育や技能習得に使い、さらに多くの収入が得られる努力をしている。
一方でお金のない貧乏な人はどうなっているか。
本書で指摘されているように、収入に見合わない高額な消費や過剰なローンを抱え、経済的に苦しくなっている場合がある。
しかし中には育児や介護と言ったやむを得ない事情で、貧困に陥っている人がいることにも触れたい。
本書はあくまで余剰資金があるという前提なので、収入が増える見込みがなく、また減らせる支出のない人にとってはあまり役に立たないだろう。
そしてインデックス投資と言えども、自分が大金を必要とするタイミングで市場が暴落する可能性はある。
例えば、
- 医療・介護費用の急な発生(大病や事故)
- 住宅関連の緊急支出(災害による損壊)
- 失業や事業の資金繰り
などが一部または複数発生して、売却せざるをえない状況になった場合が考えられる。
確かにインデックスは手堅い投資だと思うし、多くの場合は上手くいくだろうが、失敗する可能性についても知っておきたい。
本書ではどちらかと言えば、積極的な運用を推奨しており、分散投資には否定的な見解を主張している箇所も見受けられる。
特に本書はウクライナ侵攻前に書かれており、現在の世界情勢では適用できるか慎重に判断する必要がある。
例えば、地政学リスクの高まりによって株式市場が長期間低迷する可能性もあり、特定の国や市場への依存を避けるために、地理的分散を意識した投資戦略も考慮すべきだろう。