「2030年の戦争」を読んで

これはニュースの解説にロシアの専門家として呼ばれる小泉氏と、本書で初めて知った山口氏の対談を本にしたものである。
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感想
分量的にはかなり少なく、2~3時間くらいでさっと読める内容(もっと早い人もいるかも)。
「2030年の戦争」というタイトルと小泉氏の本ということで、最新の戦争で行われている現場レベルでのドローンや自律型致死兵器システムと言った技術的な視点を期待していた。
ただ本書では帯にもあるように、国家の戦略的な部分が中心になっている。
今まで日本の安全保障に関する本を読んだことがないという人には勧められる。
逆に防衛研究所の高橋氏が出しているような本を事前に読んでいたり、ウクライナ侵攻や台湾有事のニュースを追いかけている人にとっては、新鮮みに欠ける部分も多い。
読んでいて後半飽きてしまった。
むしろ一般人よりも軍事や安全保障に豊富な知識をお持ちであるなら、朝鮮半島や台湾有事が起きた際の詳細なシナリオをいくつか提示して欲しかった。
日本国民にとって日本の近辺で紛争や戦争が起きて巻き込まれた時、日本がどう巻き込まれ各々の生活にどのような余波があるのか、想像出来る人があまりにも少ないから、それを知りたい人は多いと思う。
読みやすいが、中身が充実しているとは言えない。