実写映画「斉木楠雄のΨ難」
週刊少年ジャンプで連載していたギャグ漫画(現在は完結)、「斉木楠雄のΨ難」の実写版映画を見つけたので、感想を述べる。ちなみに、漫画とアニメは見た。
予告編
あらすじ
生まれながらにして、テレパシーやサイコキネシス、透視、予知、テレポート、千里眼などの超能力が使える斉木楠雄は、超能力者であることがバレないように生きてきた。超能力のせいで捻くれた性格ではあるものの、基本的には優しい性格である。
その性格のため、何か事件が起きても最終的には超能力を使って周りの人を助けることが多い。話が進むにつれて、本人の意図とは裏腹に交友関係が広がっていく。
映画ではPK学園文化祭「PK祭」が始まるが、前年度の不祥事で今年問題が起きると文化祭がなくなるという。文化祭期間中に、学校をサボって日帰り温泉旅行を楽しんでいた楠雄は、文化祭が中止されるのを防ぐべく、問題が起きないように奮闘するが・・・。
良かった点
有名な俳優が出ている。原作者の麻生周一先生がサプライズで出ていた。PK祭での殺せんせーのパロディは少し面白かった。それくらい。
悪かった点
喋る楠雄
以下は映画冒頭、朝登校したシーンである。
男子A「おう、斉木、おっは!」
楠雄「おはよう。」
男子B「斉木、昨日のイッテQ見た?」
楠雄「昨日は見てない。面白かった?」
男子B「俺も見てない。」
楠雄「見てないのかよ。」
なんで楠雄が喋っているのか意味不明。原作では喋ることはなかったはずで、最終話近くでようやく喋った。むしろそれが感動的シーンだったはず。ペラペラ喋っている姿は違和感しかない。
楠雄の不愉快な仲間達
映画だと
- 燃堂:ただのアホっぽい人
- 海藤:ただの不思議系キャラ
- 灰呂:クラスに1人はいる騒いで面倒くさいタイプ
- 照橋:ナルシスト系のうざい女子
- 窪谷須:元ヤンキーのキモいヤツ
と各キャラクターの良さがまるで見えず、変なところばかり強調される。燃堂が一番マシだった。
原作では、
- 燃堂:アホだけど意外と勉強以外では大抵出来てしまう優しい人
- 海藤:中二病で弱っちいが肝心なところで勇敢な子
- 灰呂:負けず嫌いの熱血漢でクラスの人気者
- 照橋:完璧美少女を演じきる努力家
- 窪谷須:元ヤンキーの良いヤツ
と、それぞれ悪いところを打ち消すくらいの、良いところがあって、愛されるキャラクターだったはず。映画という短い時間でそれを表現するのは難しいかもしれないが。
原作やアニメで好きだった人ほど許せないくらい酷い。
ギャグが完全に滑っている
見てて痛々しいレベル。もはや苦痛。漫画やアニメだから面白かったのであって、実写にするとこうも酷くなるものなのか。
また楠雄が喋るせいでそちらが気になって、余計に笑えない。コレジャナイ。
感想
悪い意味でおっふ・・・。きっと映画館で見た人は、おっふしまくっただろう。
とにかく酷い。原作の面白さとのギャップもあって、余計に酷く感じる。こんな酷い映画は人生でもTOP10に入る。
恐らくこの映画を評価している人は、有名な俳優が出ているからだろう。それ以外に良いところほとんどが見つからない。
漫画やアニメの実写映画化そのものを否定しているわけではない。この映画でメガホンを取った福田監督は、奇しくも同じジャンプのギャグ漫画?の「銀魂」も実写映画化している。あちらの方は限界ギリギリのパロディがそれなりに笑えたし、ここまで酷くなかった。
もし原作の漫画を読まずに実写映画から「斉木楠雄のΨ難」を知った人は、是非とも原作の漫画やアニメを見て欲しい。それで僕がここまで酷評している理由が分かるはずだ。
漫画やアニメだと、いつも無表情の楠雄くんが、コーヒーゼリーになると笑みを浮かべてポンコツになるのが面白かったよ。ほのぼのしてた。
そう言えば映画では一切触れられることはなかったデス。同じ実写でもドラマにした方が良かったのかもシレマセン。