学術文庫「中世ヨーロッパの都市の生活」を読んで
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概要
世界史の教科書では触れられることがまずないだろう、中世ヨーロッパの都市に住む一般市民の生活はどのようなものだったのかを記述している。
フランスのトロワを中心に、裕福な市民や主婦、職人、商人、医師らがどのような生活を送っていたのかが詳細に分かる。
感想
本書を読むことで、今の時代がどれだけ恵まれているのかよく分かる。
食事の種類は豊富だし、衛生環境にも恵まれている。
綺麗に保つかどうかは本人の問題だが。
また本の筆写の大変さを読むと、活版技術の偉大さを改めて気付かされた。
安く本が手に入って読めるのは、幸せなことである。
現代では物が溢れ、より恵まれた他者がいることをテレビやネットで知ると、自分は不幸だと思いがちだ。
しかし他の時代と比べてみると、ほとんどの人は十分に恵まれていることが分かるだろう。
もちろん、より未来の人が今の時代の暮らしを見たら、「大半の人が働かなくては生きていけないから大変そう」だとか言われるかもしれない。