音楽生成AI「Suno」の紹介と使い方

今回は音楽生成AIであるSunoの使い方を書いていく。
目次
Sunoとは?
Suno AI(Suno)は、テキストから高品質な歌曲(メロディ・歌詞・歌声・伴奏)を自動生成できる音楽生成AIサービスである。
アメリカのスタートアップ Suno AI Inc. が開発しており、音楽に関する知識がなくても、誰でも簡単にオリジナル曲を作れるのが特徴だ。
ネット上で非常に優秀だと聞いたので使ってみたが、予想以上に凄かった。

タンバリンしか叩いたことないけど作れたよ!

コードとか知らんでもいけるで
対応デバイス
デスクトップ・ラップトップ・タブレット(Webブラウザ)
WindowsやMac、Linux、ChromeOSを搭載したデスクトップ・ラップトップ・タブレットでWebブラウザから利用可能。
ただしある程度の画面サイズ(横)がないと、インターフェースが表示されない。
例えば1080*1920のようにモニタを縦置きしていると、ページの右側が切れてしまう。
その場合はブラウザ側で縮小するなどの対応が必要だ。
iOS・Android(モバイルアプリ)
App StoreやGoogle Play ストアで配信されている専用アプリからも生成が可能。
スマートフォンやタブレットの場合、こちらの方が使い勝手が良いだろう。
どんな種類の曲が作れるのか?
- J-POP
- 邦楽
- ロック
- メタル
- エレクトロ
- クラシック
- ヒップホップ
- ラップ
- 民族音楽
など非常に多岐にわたる。
長さも1分前後の短いものから、最長8分まで作成可能だ。
プロンプトで直接長さを指定したり、もしくは歌詞の長さで決まる。
1秒単位のピッタリとした長さで作ることは出来ない。
歌詞がないインストロメンタルだと、2~3分程度の曲が生成されやすい気がする。
費用

2025-11-13時点で確認した内容なので、最新の価格や機能、権利などは公式サイトで確認して欲しい。
| 無料 | プロ | プレミアム | |
|---|---|---|---|
| 一ヶ月の利用料金 | 0円 | 1,500円 | 4,500円 |
| クレジット | 50クレジット/10曲分 | 2,500クレジット/500曲分 | 10,000クレジット/2,000曲分 |
| モデル | v4.5-all(無料用モデル) | v5(最新) | v5(最新) |
| 商用利用 | 不可(個人利用のみ) | 可(新規作成曲のみ) | 可(新規作成曲のみ) |
無料で試してみて、良かったらプロへ移行するのが良さそう。
僕はプロプランで試してみた。
「Google アンケート モニター」で貯まってたGoogle Play クレジットを充てたので、数百円程度で済んだ。
作例
以下に作例を示す。
基本的な作り方
Webページはログイン後、左メニューのCreateから作成する。
アプリ版は、画面下部にある中央の大きな音符ボタンから移動する。
上部からSimpleとCustomの2種類が選べる。
Simpleモード
Simpleモードは、初心者・お試し向けといった内容で、曲の説明(Song Description)に200文字程度で記述する。
ちなみに入力する場合、プロンプトは英語で入力するのが基本だ。
日本語にも対応しているが、信頼性があまり高くない。
例を書く。
Energetic J-Pop anime opening with emotional female vocals, fast tempo, electric guitars, bright synths, and a feeling of youth, courage, and friendship.日本語訳は以下の通り。
「エネルギッシュなJ-POP系アニメのオープニング。感情的な女性ボーカル、速めのテンポ、エレキギターと明るいシンセが響き、青春・勇気・友情を感じさせる曲」
注意として実在のアーティスト名などを入れると、警告メッセージが出て生成されない。
もしその歌手の影響を受けた曲を作りたいなら、直接名前を指定するのではなく、特徴を書くように心掛けよう。
歌詞は自動生成され、ユーザーが自分で歌詞を入力する欄はない。
またインストロメンタル(Instrumental)にチェックを入れると、文字通り歌のない楽器だけで演奏された曲が生成される。
このSimpleモードは設定などが非常に簡単で初心者向けであり、とりあえずお試しで1曲作ってみたい時にどうぞ。
ただし、細かいコントロール(歌詞構造・セクション指定・スタイル詳細など)はないため、必然的にSimpleモードは使わなくなる。
Customモード
本格的に曲を作りたいなら、Customモードを使っていく。
歌詞(Lyrics)・スタイル(Style)・曲名(Title)をそれぞれ設定する。
また拡張機能(Advanced Option)から、ボーカルの性別(Vocal Gender)、歌詞のオート化(Lyrics Mode)、奇妙さ(Weirdness)、スタイルの影響度(Style Influence)を設定する。
Customモードの詳細
歌詞(Lyrics)
言語
日本語や英語に対応している。
他の言語については、中国語やロシア語、韓国語・ヘブライ語にも対応しているという。
日本語についてだが漢字も読めるが、たまに読み間違いをする場合もある。
よく間違える場合は、平仮名や片仮名で書くと良いだろう。
例えば、
君に萌(も)え萌(も)えバッキュンキュン
のように、括弧書きで読み仮名をふるって対応することも考えられるが、漢字と読み仮名で2回くり返し読むこともたまに起こったので、あまりオススメしない。
メタタグ
歌詞を書くほか、メタタグの記入も行える。
- 曲の構成部分を定義する
- ボーカルの種類や声の演出を指定する
- 特定の楽器や音楽スタイルを強調する
- 観客の反応や環境音・効果音を追加する
といった細かい定義や指定が可能だ。
ただ正式な書き方をまとめたSunoによる公式リファレンスは存在しない模様?
# Introのように書いても反応してくれるが、[]で書くのが一般的で無難。
以下に書き方の例を示すが、絶対この書き方じゃないとダメというものでもない。
余裕があれば、色々試してみて欲しい。
| 構成メタタグ | 意味 |
|---|---|
| [Intro] | イントロ/前奏 |
| [Verse] | Aメロ |
| [Pre-Chorus] | Bメロ |
| [Chorus] | サビ/コーラス |
| [Verse2] | Aメロ2 |
| [Bridge] | 間奏/Cメロ/ブリッジ |
| [Final Chorus] | ラストサビ/大サビ/ファイナルコーラス |
| [Outro] | 後奏/アウトロ |

サビなら分かるけど、AメロとかBメロって何さ?

しゃーないなぁ
別のページでウチが詳しく説明したるわ
| ボーカル・声質メタタグ | 意味 |
|---|---|
| [Male singer] | 男性 |
| [Female singer] | 女性 |
| [Child voice] | 子供 |
| [Whispers] | ささやき声 |
| [Echoing vocals] | エコー付き |
| [Harmonized chorus] | ハーモニー |
| [Announcer] | ナレーション |
| [Reporter] | リポーター |
| [Giggling] | 笑い声 |
ここでボーカルの性別を設定する場合、男女デュエットの曲を作る場合だと想定される。
曲全体でどちらかの性別だと決まっている場合、Vocal Genderで設定するべきだ。
逆に男女デュエットの場合、Vocal Genderの指定は解除しておこう。
| 雰囲気メタタグ | 意味 | 説明 |
|---|---|---|
| [Mood: Uplifting] | 前向き・元気づける | 明るく勇気づける雰囲気 |
| [Mood: Melancholic] | 物悲しい | 切なさ・哀愁のあるバラード向き |
| [Mood: Dreamy] | 夢のような | 幻想的・浮遊感のある雰囲気 |
| [Mood: Dark] | 暗く重い | 不安・緊張・シリアスな印象 |
| [Mood: Joyful] | 喜びに満ちた | ポップで明るく楽しい感じ |
| [Mood: Emotional] | 感情的・熱い | 感情を前面に出す(サビで盛り上げる系) |
| [Mood: Calm] | 穏やか・静か | リラックスした日常系やED曲に合う |
| [Mood: Epic] | 壮大・勇壮 | オーケストラ・バトル・ファンタジー向き |
| 勢いメタタグ | 意味 | 説明 |
|---|---|---|
| [Energy: Low] | 静か・控えめ | ゆったりとしたテンポ、バラードやローファイ向き |
| [Energy: Medium] | 適度な勢い | ポップスやJ-Popの標準的テンポ感 |
| [Energy: High] | 高揚・激しい | ロック、EDM、アニメOPなどの盛り上がる曲向き |
| [Energy: Medium→High] | 徐々に盛り上がる | サビに向かってテンションを上げる構成 |
| 楽器・スタイルメタタグ | 意味 |
|---|---|
| [Acoustic guitar] | アコースティックギター |
| [Orchestral strings] | オーケストラ弦 |
| [Synth pads] | シンセパッド |
| [Lo-fi] | ローファイ |
| [Blues] | ブルース |
| [Electropop] | エレクトロポップ |
| [Jazz saxophone solo] | ジャズサックスソロ |
| [Distorted electric guitar] | ディストーションギター |
| 効果音メタタグ | 意味 |
|---|---|
| [Applause] | 拍手 |
| [Cheers and applause] | 歓声 |
| [Audience laughing] | 笑い声 |
| [Birds chirping] | 鳥のさえずり |
| [Phone ringing] | 電話の着信音 |
| [Bell dings] | ベル |
| [Silence] | 無音 |
| [Static] | ノイズ音 |
| [Censored] | 検閲音 |
メタタグの注意事項
タグは「補助情報」であり、命令文ではない。
Suno のタグ(例:[Intro], [Female singer], [Drop] など)は、AIにヒントを与える補助信号として機能する。
つまり、「絶対にこうしろ」という指令ではなく、「こういう雰囲気で作ってほしい」という参考情報である。
多すぎるタグを入れると、AIがどれを優先すべきか判断できず、焦点のぼけた中途半端な結果になることがある。
また各タグはスタイル・声質・構成などを独立して指定するため、
例:[Female singer][Male singer][Rap verse][Whispers][Opera style]
のように多重指定すると、AIが複数の文脈を同時に処理しようとして曲調が不安定になる。
一つのセクションに主要タグは2〜3個までに絞るのが良い。
(例:「構成タグ+音楽スタイル+ボーカルタイプ」)
ただし出来る限り、最小限のタグにした方が曲が安定して生成されやすい。
スタイル(Style)
Redditで紹介されていたのだが、以下のようなテンプレートを用いると良い。
Suno Style Prompt Guide 2.0 : r/SunoAI
Genre: "<サブジャンルを含むジャンル>"
Exclude: "<除外したいジャンルや特徴>"
Instruments: "<使用したい楽器、声質、サウンド特徴>"
Tags: "<BPM; mood; drop type; extras>" 以下は例。
Genre: "J-Pop, Anime Opening"
Exclude: "Metal, Jazz, Acoustic, EDM"
Instruments: "energetic female vocals; electric guitar riffs; driving drums; bright strings; catchy synth melodies"
Tags: "150 BPM; emotional; heroic; cinematic; youthful energy"| 項目 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| Genre(ジャンル) | 「J-POP、アニメのオープニング」 | 日本のポップス、特にアニメの主題歌スタイルを指定。明るくテンポの速い曲を想定。 |
| Exclude(除外ジャンル) | 「メタル、ジャズ、アコースティック、EDM」 | 激しいメタルや即興性の強いジャズ、生音中心のアコースティック、電子音主体のEDMを除外。純粋な「アニソン王道」のサウンドに集中させる意図。 |
| Instruments(使用楽器) | 「エネルギッシュな女性ボーカル、エレキギターのリフ、勢いのあるドラム、明るいストリングス、耳に残るシンセメロディ」 | アニメOP定番の構成。女性ボーカル+ギター+シンセの組み合わせで明るく力強い印象を演出。 |
| Tags(補助特徴) | 「テンポ150 BPM、感情的、ヒロイック、シネマティック、若々しいエネルギー」 | アニソンの特徴をまとめたムード指定。テンポ速めで疾走感、勇気や青春感を含んだ雰囲気をAIに伝える。 |
面倒くさい人は、ChatGPTやGeminiのような文章生成AIに依頼すると良い。
先ほどのテンプレートと、自分の作りたい曲の要望を合わせて伝えれば、うまくまとめてくれたり、新しい提案をしてくれるだろう。
そして出来た曲を聴いて、さらに変更点や改善点を上手く言語化して、ブラッシュアップしていけばOK。
歌詞のオート化(Lyrics Mode)
こちらをAutoにすることで、歌詞を自動生成してくれる(Customモードを使う上であまり使う必要はないと思うが)。
奇妙さ(Weirdness)
「Weirdness」は、Suno AI の生成設定において どれだけ「通常のジャンル・構成から逸脱するか」を制御するパラメーターである。
言い換えれば、「どれほど実験的・予想外・非定型なサウンドにするか」を調整するスライダーであり、0 %〜100 %の範囲で設定可能だ。
値が低いと「定型的・安定的・ジャンル基準に忠実」な生成になり、値が高くなると「構造を大胆に変える・音の破綻を許容する・予想外の展開を入れる」ような生成になる。
- 0 %~20 %:安定・定型重視
- ジャンルの典型的構造を忠実に再現したい時に使用
- 30 %~60 %:少しだけ外側へ冒険
- ジャンルの枠は維持しつつも、「少し変化を加えたい」「少しだけ意外性を出したい」場合
- 70 %~100 %:かなりの逸脱・実験レベル
- 伝統的な構造をかなり外し、リズム・テンポ・歌声に変化を加えたり、サウンドを「奇妙」に演出したい時
高めの設定(例70%)だと、リズムが変則的になったり、歌声が変質したり、予想外の音響変化が入ることがある。
逆に低い設定だと、「聴き慣れた」ジャンル感・構成感が強く出るため、ジャンルらしさ・キャッチーさを維持したい場合に使う。
Weirdnessを上げすぎると、歌詞が聞き取りづらくなったり、曲の長さが短くなったり(または途中で崩壊気味になる)という報告もある。
よく分からない人は、作るジャンルに合わせて値を設定するのが無難だろう。
| ジャンル | Weirdnessの目安 | 傾向 |
|---|---|---|
| ポップス・アニソン | 0〜30% | 安定・キャッチー |
| ロック・メタル | 20〜50% | 個性・荒々しさ |
| EDM・トランス | 40〜70% | 展開・高揚感 |
| バラード・アコースティック | 0〜20% | 自然・感情重視 |
| デスメタル・ホラー | 70〜100% | 破壊的・異形的 |
| アンビエント・映画音楽 | 60〜100% | 芸術的・浮遊感 |
Suno的には15~85%を推称しているようで、それ以外の値は赤く表示されるようになっている。
参考までに、僕は今までにない曲を作りたいと思っているので、アニソンでも40%付近で作っていたりする。
スタイルの影響度(Style Influence)
Style Influence は、「プロンプト(ジャンル・楽器・ムード等)で指定したスタイルにどれだけ忠実に生成するか」を調整するスライダーである。
値を高めに設定すると、プロンプトで指定したスタイル(ジャンル・楽器・雰囲気)が強く反映される。
値を低めに設定すると、生成が「指定したスタイルから少し逸脱・自由度が高い」ものになる。
スタイルを決める(ジャンル、雰囲気、楽器構成など)をプロンプト内で明示する。
Style Influence スライダーを見つけて、「0~100%」の範囲で設定。
値をどれくらいにするかを、生成目的・ジャンル・自由度に応じて決める。
- 70〜90%:スタイルをかなり忠実に再現したい場合
- 30〜50%:スタイルはある程度反映しつつ“少し変化”を加えたい場合
- 0〜20%:スタイルよりも実験的・自由な生成を重視したい場合
スタイルをしっかり指定しているプロンプトほど、Style Influence を高く設定すると「想定どおり」のサウンドが出やすい。
ただし、Style Influence を 高く、Weirdness(奇妙さ)も高く設定すると、逆に「スタイルに対する過剰な解釈」や「意図しない逸脱」が起こる可能性ある。
なので、「スタイル忠実」な安定した曲を作りたいなら、Style Influence を80%前後に設定し、Weirdness を低めに保つという組み合わせがお推奨される。
次回予定
CoverやExtendについて触れていく。