SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSMが手に入ったので、どの程度綺麗なのか比べてみた
以前から明るい広角レンズが欲しかったのだが、高くて手が出せずに悶々としていたのだが、つい先日思い切って買ってしまった。
せっかく買ったのだから、SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSMが本当に良いレンズなのか、実際に検証することにした。
1.検証内容
今回比較したレンズは次の4つ。
- SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM
- SIGMA 18-250mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM(F4.5で撮影)
- CANON 40mm F2.8 STM
- CANON 50mm F1.8 II
ボディはいつものEOS Kiss X5である。
ISOは400に設定し、絞りは「SIGMA 18-250mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM」を除き、開放で撮影した。
被写体がだいたい同じ大きさになるように調整したが、多少違いが生じている点についてはご容赦願いたい。
2.撮影結果
以下に撮影した画像を貼り付けておく。
「SIGMA 18-250mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM(F4.5で撮影)」
この段階で分かることは、「CANON 50mm F1.8 Ⅱ」がふんわりとした描写であることくらいだろう。
3.比較検証
「CANON 50mm F1.8 Ⅱ」との違いは何となく分かったが、他の3つのレンズの違いが明確でないため、拡大して検証することにした。
画像の赤枠を比較してみよう。
毛が密集している部分なので、特に描写の差が出やすい部分だろうと予測される。
さてお分かりいただけただろうか。
この中で最も繊細な描写をしているのが、「SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM」である。
次点で甲乙付けがたいが単焦点は伊達ではなかった「CANON 40mm F2.8 STM」。
そして3番目が意外とクリアな描写だったのが「SIGMA 18-250mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM」である。
で、他のレンズと大差がついてしまったのが「CANON 50mm F1.8 II」だろう。
そこで「CANON 50mm F1.8 II」を開放ではなく、F2.8まで絞って撮影してみた。
「4つのレンズの比較(CANON 50mm F1.8 IIだけ変更)」
F2.8まで絞った途端、「SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM」を肉薄するくらいの描写能力を発揮した。
4.感想
上記の結果と今まで実際に撮影してきた経験を踏まえて、レンズごとに感想を述べる。
「SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM」
利点。
広角でとても明るいズームレンズ。
屋内での特に発揮し、光量が少なく、また画角を取りたくても取れない狭い場所などでも使いやすい。
単焦点レンズと並べても見劣りしない描画性能は素晴らしい。
様々な広角単焦点レンズがこれ一つでまかなえるのは大きい。
欠点。
APS-Cサイズ専用広角ズームレンズとしては高価な部類で、本体重量も810gと結構重い。
Kiss X5本体が515gなのを考えれば、バランスは良い方ではない。
また「SIGMA 18-250mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM」の全長86mmとくらべ121mmと35mmも長い。
全体的な取り回しの悪さが目立つ。
AFもサード製ゆえか、明るいレンズの宿命か、ピントがずれることが多い。
MFで調整する必要が出てくることがある。
「SIGMA 18-250mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM」
利点。
広角から望遠まで幅広く対応できる、いわゆる便利ズームレンズ。
旅先でこれ一本あれば、屋外ならまず困ることはない。
また描画性能も極端に悪い物でもなく、CMOSサイズの超望遠レンズ付きコンデジよりも遙かに綺麗である。
全長86mm、重さも430gと「CANON EF-S55-250mm F4-5.6 IS II」の全長108mm、重さ390gと比較しても悪くない水準であることも付け加えたい。
欠点。
暗い、とにかく暗い。
少しワイド側にズームリングを回すだけでF値が上がっていく。
昼間はともかく、夜間の屋内などではISO感度を上げない限り、まったく使い物にならない。
またAPS-Cサイズ専用なので、フルサイズに乗り換えると使えなくなる。
「CANON 40mm F2.8 STM」
利点。
全長22.8mm、重さ130gととても軽くて、短いので、抜群の機動力を発揮する。
いつでもカバンの中に忍ばせておき、撮りたい時にさっと出して撮ることが出来る。
どうしても一眼レフ自体大きくて重くなりがちだが、このレンズを付ければ一気に解消する。
また単焦点レンズらしく、描画力も良い方だろう。
価格もレンズ群の中では2万弱と下位に位置するので求めやすい。
欠点。
40mmという中途半端な画角。
APS-Cであれば、64mmとポートレイト向きで、風景を撮るには今ひとつ使いにくい。
スマートフォンみたいに手軽に使いたくても、中望遠並なので、室内の集合写真などで使いにくい場面が出てくるだろう。
18mmくらいの広角であれば、とても使いやすいのに残念である。
「CANON 50mm F1.8 II」
利点。
全長41mmで重さ130gであり、「CANON 40mm F2.8 STM」に次ぐコンパクトさ。
このレンズの最も素晴らしいところは、値段で1万を出せばおつりが返ってくる。
絞りもF1.8と大口径レンズに引け劣らない明るさであり、一眼レフを買った際に販売店の店員さんが最も勧めてくるレンズだろう。
50mmという画角は余分な素材を省き、写真の構図を考えるという意味でも「先生」として様々なことを教えてくれる。
欠点。
普段撮りにはまったく向かない、使いにくすぎる。
AFは遅いしうるさいし、画角はAPS-Cサイズ換算で80mmと「CANON 40mm F2.8 STM」以上に扱いづらい。
また上記の検証結果から、開放での画質はボロボロ、絞るのが前提のレンズなので、実用面では暗くなりがち。
さらに比較したレンズの中で唯一のプラスチックマウントである点から、長く使うというよりは壊れたら買い換えるというのも気になるところ。
耐久性能という意味では、長く大切に使うレンズではなさそうだ。
どうだろうか、以前も「CANON 40mm F2.8 STM」と「CANON 50mm F1.8 II」を比較した記事を書いたが、あれからいろいろレンズを売ったり買ったりしたので、再びレビューし直した。
EF40mm f/2.8 STMを手に入れたので、EF50mm f/1.8Ⅱと比較してみた。 – LV73.net
検証や感想が乱雑な部分もあるが、買い求める際の何らかの参考となれば幸いである。
もちろん実際に手にとって触れて、撮影してみることも大切である。