機動戦士ガンダム エクストリームバーサス フルブーストの感想でも
「デルタプラスを描きたかったのだが、難しいので妥協して描いた黒くなる前のリディ中尉」
エクストリームバーサス フルブースト(以下EXVSFB)は2001年にアーケードで初登場した「機動戦士ガンダム 連邦vs.ジオン」から、10作目となるシリーズである。
【PS3】機動戦士ガンダム エクストリームバーサス フルブースト | バンダイナムコゲームス公式サイト
機動戦士ガンダム エクストリームバーサス フルブースト – Wikipedia
当初は、初代ガンダム、Z、SEEDなどと作品ごとの区切りで新作を出してきたが、「機動戦士ガンダム ガンダムvs.ガンダム」から各作品ごとから代表機体が登場するようになった。
本作のアーケード版自体は2012年の4月から稼働しており、家庭用版の発売までだいたい2年ほど掛かった。
ゲーセンに足を運ぶほど、お金と時間に余裕がないと思うユーザは楽しみにしていただろう本作だが、無論私も楽しみにしていた。
せっかくなのでいつも通りレビューを行っていきたい。
目次
1.評価できるポイント
まず良かったところから。
本作はアーケードからの移植作になるので、対戦が一番楽しい。
ゆえに対戦を重視した評価を行った。
(1)アーケードモードおよびミッションのオンライン対応。
オンライン専用のルートであるが、前作のEXVSで対応してなかっただけに嬉しいところ。
オンライン対戦以外でフレンドや他のユーザとまったりとEXVSFBが楽しめる。
(2)プレイヤーマッチの改善。
12人部屋が作成可能になって、チームフリー(味方固定)がしやすくなった。
前作は最大8人なので、同じ部屋でプレイし続けても延々と同じ相手と対戦を続けるしかなかった。
また階級や勝率制限を掛けられるようになったので、初心者も安心して遊べるようになった。
さらにオンラインパスが導入されたことで、捨てアカウントが作りにくくなったことも良い。
(3)ラグが少ない快適な対戦。
前作同様、基本的にはラグを感じさせない十分に楽しめるレベルだ。
ただし無線LANの場合、パケットの再送が発生しラグが発生する可能性があるので、出来る限り有線でのプレイが望ましい。
2.問題点
対戦ツールとして素晴らしいのだが、それを遙かに上回る欠点がいくつも見受けられた。
(1)ダウンロードコンテンツ(DLC)の存在そのもの。
プレイヤーナビ、ゲージデザイン、パイロット衣装とゲーム内(ミッションなど)のクリア報酬としか思えないレベルのものが、ボッタクリとしか思えない値段で売られている。
信じられないのがHi-νガンダムのアムロの衣装で、νガンダムのノーマルスーツを流用しただけでお値段なんと300円。
プレイヤーナビも一人当たり350円、追加衣装に300円と合計650円という価格設定。
ティファに至っては「髪を解く」だけで300円だから驚くしかないという(;^ω^)
ここまではいい、あくまで対戦ツールとして見た場合は、おまけ要素でしかないのだから。
追加機体がまた酷く、解析で判明している機体を含めて見てみよう。
- 高機動型ザクⅡ後期型(ジョニー・ライデン機)
- インフィニットジャスティスガンダム(ラクス搭乗)
- ウィングガンダムゼロ(カトル搭乗)
- 高機動型ザクⅡ改(シン・マツナガ機)
- ジンクスⅢ(パトリック・コーラサワー機)
- ガイアガンダム(バルドフェルド機)
- ゲルググ(アナベル・ガトー機)
- ザク頭Zガンダム(イーノ・アッバーブ搭乗)
- ザクⅡ(ククルス・ドアン機)
- アッガイ(ハマーン・カーン搭乗)
- ガンダムMk-Ⅱ(カミーユ・ビダン機・ティターンズカラー)
- Zガンダム(ルールカ搭乗)*NEW
- ガンダムMK-Ⅱ(エル・ビアンノ搭乗)*NEW
- Vガンダムヘキサ(マーベット・フィンガーハット機)*NEW
- 陸戦型ガンダム(シローアマダ機)*NEW
- シルバースモー(ポゥ・エイジ機)*NEW
- フォースインパルスガンダム(ルナマリア搭乗)*NEW
ジンクスⅢ以外どうみてもコンパチブル機体ばかりです、本当にありがとうございました。
そのジンクスⅢでさえ、前作のミッションで登場してたモデルを再利用しているだけなのだから質が悪い。
前作のDLC機体も500円と割高だったが、なんだかんだ言って買ってた。
それはもちろんオリジナルで完成度が高かったのと、オンラインの月額料金だと思えばのことだった。
追加機体に関してはどれも買うことは今のところ考えていない。
(2)不安定なオンライン環境。
今後どうなるか分からないが、少なくとも発売日の週の土日に深刻なサーバダウンが発生した。
対戦がメインなのにオンラインで対戦できないなんて、お茶を掛けてないお茶漬けのようなもの。
さらに未確認ではあるが、カスタムサウンドトラックを利用することでラグが発生する模様。
アップデータVer1.02で修正されたかは不明だが、「プレミアムGサウンドエディション」なる限定版をユーザに買わせているのだから、しっかりと対策をしてもらわないと困る。
前作のオンラインが優秀だったのに、今回のこの失態は残念極まりない。
また確証はないが、チームシャッフル等のランダムの偏りが酷い。
同じ組み合わせが3戦連続とか発生するあたり、おそらく乱数周りがちゃんと調整されていない。
(3)作業感が全開のミッションモード。
操作訓練はいいとして、他の各ミッションはEASY、NORMAL、HARD、EXTREMEの4つの難易度を設けることで水増ししている模様。
CPU難度や攻撃力、防御力などで調整しているが、作業以外の何物でもない。
先述のプレイヤーナビやゲージデザイン、パイロット衣装がこちらで入手出来るならまだいいが、手に入るのはミッション中で機体強化に必要なスキル群とアーケードモードに登場したMSのフィギュアが手に入るだけ。
PSNのトロフィーコンプ目的でなければ、まったくプレイする価値はない。
3.総評
酷い、酷すぎる、これに尽きる。
対戦ツールとして評価したいが、肝心のオンラインが現在不安定で対戦に支障が出るレベル。
オンラインプレイがまともに出来ないなんて、このゲームの価値が皆無だと言いたい。
もし仮に問題点で取り上げたDLC関連が手抜きでなく、また良心的なものであったとしたなら、これほどネット上でも叩かれることはなかっただろう。
手抜きな上に、オンライン不安定と来たら、酷評されても仕方ない。
公式HPでは相変わらずテンプレートのような謝罪文が掲載されているが、文字で謝るだけなら私にだって出来るさ。
つ「(´・ω・`)ホントごめんwww」
これから購入を検討されている方は、対戦目的であればオンラインが正常にプレイできることを2chスレやtwitterなどで確認し、さらにオンラインの過疎化していないかまで調べてから踏み切った方がいいと思われる。
またソロプレイが希望の方、そのお金で是非とも美味しいモノを食べて頂きたい。
このゲームはソロプレイする価値はほとんどない。
4.おまけ
DLCの予想総額を計算してみた。
算出についてはアーケード版の情報を参考に概算で算出している。
まずないと思うが、無料で登場する物も出てくるかもしれないので、参考程度に留めて欲しい。
追加機体 400円 * 9機
プレイヤーナビ 350円 * 27人
(ハロ除く)
プレイヤーナビ追加衣装 300円 * 22人
(ハロ、ギレン、セシリー、ジンネマン、ミコット、モーリン除く)
ゲージデザイン 100円 * 142種
パイロット衣装 300円 * 60種
400*9+350*27+300*22+100*142+300*60=51,850
仮に限定版を購入したとすると、
10,980+51,850=62,830
バンナムはパッケージにしっかりと書いておくべきだったな。
バンナム「このソフトの内容を全て楽しむためには6万円ほど掛かります。」
追記(2014-02-06)
解析にて判明したDLC機体を書き加えた。
DLC総額の計算はめんどくさいのでそのまま。