静電気発生型のスライタスを試してみた
以前まではプリンストン製やWacom製のゴムタイプのスライタスを使っていたが、通常の指で行う操作は問題なかったものの、文字を書くなどの細かい動作が指同様に困難であった。
同じくプリンストンから、静電気を自ら発生させるタイプのスライタスが発売されていて、確かにペン先が細く、これは期待できそうだと、試してみることにした。
仕様
PSA-TPA2シリーズ | タッチペン | 製品案内 | 株式会社プリンストン
PIP-TP2シリーズ | タッチペン | 製品案内 | 株式会社プリンストン
同社が発売している、ゴムタイプのPIP-TP2と比較してみる。
型番 | 先端の径 | 径 | 長さ | 重さ |
PSA-TPA2 | 約φ8.5 | 約φ8.5 | 141mm | 電池込み約27g |
PIP-TP2 | φ2 | 約φ12 | 111mm | 約12g |
単4電池を搭載しているため、大型になっているが、高級なボールペンや万年筆と同程度のサイズ、重さである。
質感もなかなか良い。
3分以上操作しなければ、勝手に電源がOFFになる。
ペン先を回すことで、感度を調整することが出来、フィルムによって反応しにくい場合でも何とかなるかもしれない。
ちなみに僕のiPad(Retina)は、エレコム製のフィルムだったが、特に問題はなかった。
感想
目的は二つ、文字が書けるかどうか(ノートとして使いたい)と、簡単なイラスト作成が行えるか。
文字を書くのにはiPad版のOneNoteで試してみた。
「iPad版OneNote」
字が汚いのはペンのせいでもあるが、生まれ持ったものでもあるので、なにぶん講評しがたい。
ゴム製のスライタスペンに比べると、抜群に書きやすいことは事実で、保護フィルムを付けていてもよく滑る。
摩擦がほぼない(あっても磨り減るので困るが)ので、好みが分かれそうだが、個人的には予想していたことなので、問題ない。
ただ・・・根本的な問題となるが、やはり紙のノートに書くのに比べると、不自由に感じる。
iPad(Retina)の性能もあるのだろうが、書かれるポイントが少しずれているのと、わずかに遅れて描画されるのが気がかり。
ノートのデジタル化の長所は、豊富なペンツールを有効に活用でき、ノートの管理も楽だという点だが、書きやすさではやはり従来のアナログノートの方が優れている。
またこれもiPad側の問題なのだが、画面サイズの関係上、縮小すると文字を書く精度が落ち、拡大すると視認性が悪くなる。
ノートとしてiPadを活用したいと思うのだが、ハードルはなかなか高い。
イラストにはArtStudioで試した。
ペンタブレットと違い、画面に描き込むのは液晶ペンタブレットみたく、直感的で良かった。
しかし、圧倒的にレスポンスと精度でペンタブレットに劣っており、出先で簡単なイラストを描くには便利だが、ペンタブレットが使える環境では無理に使う必要が感じられない。
結論
スライタスペンとしての完成度は高い。
これ以上の物を作ろうと思ったら、iPad Proみたく、タブレットと合わせて開発した専用ペンでないと、難しいと思う。
ペンタブレットを持ってないけど、簡単なメモやイラスト程度をかきたいというニーズは、十分満たせるだけの性能はあるだろう。