40人に1人が不正関与ー外資系生命保険で何が起きていたのか

40人に1人が不正関与ー外資系生命保険で何が起きていたのか
40人に1人が不正関与ー外資系生命保険で何が起きていたのか

ソース

プルデンシャル生命、被害拡大も 調査継続、社長が謝罪 | NEWSjp

外資系生命保険大手のプルデンシャル生命保険株式会社で、営業社員や元社員が顧客から不正に金銭を受け取っていた問題が明らかになった。

  • 不正に関与した社員・元社員は100人以上
  • 被害総額は約31億円、被害に遭った顧客は約500人にのぼる
  • 未返済額は約23億円

同社の営業職であるライフプランナーは約4,300人。

会社概要 | プルデンシャル生命保険

この数字を前提にすると、約40人に1人が不正に関与していた計算になる。

これはもはや「一部の例外」では済まされない規模である。

数字が示す異常さ

今回の問題で注目すべき点は、被害額の大きさだけではない。

・不正関与者が100人を超えている
・被害が長期間にわたって見過ごされてきた
・会社側が把握しきれないまま拡大していた
・未返済額が被害総額の大半を占めている

これらは、個々の社員のモラルの問題というより、組織構造そのものに歪みがあった可能性を示している。

原因は「人」ではなく「制度」

会見で次期社長は、不正の背景として、新規契約獲得に強く連動する報酬制度を挙げている。

・収入が契約件数に極端に左右される
・成果を出せなければ生活が不安定になる
・短期的な成果を優先しやすい
・金銭目的の人材が集まりやすい

こうした条件が重なれば、やってはいけない一線を越える誘惑が強まるのは想像に難くない。

実際、同社は報酬制度を見直し、一部を固定給とする方針を打ち出した。

裏を返せば、それまでの制度が不正を十分に抑止できていなかったことを意味する。

「外資系だから」では済まされない

今回の事件を、外資系企業特有の成果主義の問題として片付けるのは簡単だ。

しかし、本質はそこではない。

・成果主義をどこまで許容するのか
・営業現場をどのように監督するのか
・不正の兆候をどう検知するのか
・経営は現場の実態を把握できていたのか

これらは、日本の保険業界全体に突き付けられた問いである。

ビッグモーター事件が示した前例

過去には、中古車販売・買取会社のビッグモーターを巡る問題でも、保険会社の信頼は大きく揺らいだ。

金融庁が損保ジャパン処分、ビッグモーター巡り「管理機能不全」 – Bloomberg

この事案では、金融庁が損害保険ジャパンを含む複数の損害保険会社に対し、管理機能不全を理由に処分を行っている。

販売店側の不正にとどまらず、保険会社自身の監督責任や初動対応の不備が問われ、結果として経営トップが辞任する事態にまで発展した。

これは、不正行為を行った主体だけでなく、それを監督すべき保険会社の責任が問われ得ることを示した前例である。

信頼は制度が壊れれば失われる

保険は、万一のときに備える商品である。

その保険を扱う側で金銭不正が繰り返されれば、顧客が感じる裏切りは大きい。

・制度を変えれば終わりなのか
・トップの辞任で責任は果たされるのか
・同じ構造は他社に存在しないのか

問われているのは、一企業の不祥事対応ではない。

成果主義を前提とする保険業界の制度設計と、その制度の下で本当に信頼を回復できるのかという根本的な問題である。

40人に1人という数字は、制度が歪んだとき、その影響がどれほど大きくなり得るかを端的に示している。

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