アニメ「DRIFTERS」
ドリフターズと言えば、ザ・ドリフターズというコントグループが出てくる人もいるかもしれない。今回紹介するのは平野耕太先生の漫画「ドリフターズ」のアニメ版である。今さら全部見終わったので感想を書く。
あらすじ
1600年、関ヶ原の戦いで退却中、島津豊久が殿として奮闘し重傷を負って、公務員のような服を来た紫に漂流者として異世界に飛ばされた。そこで織田信長や那須与一らと共に、黒王から世界を救うべく国盗りを始める。アニメ版は、オルテ帝国の首都を陥落させたところまで。
感想
作品の感想
平野耕太先生の前作、HELLSINGと同様、台詞回しが独特かつ過激で、中二病患者にはとてもよく刺さる。今作でも前作並に台詞の勢いがあって、それぞれのキャラクターを引き立てるのに大きく貢献している。
そして世界の英雄らを一箇所に集めて戦わせるという発想は、Fate/stay nightの影響を受けたのだろうと思う。ただしそれ以外の要素は全く別物と言って良い。
Fateは英霊個人の能力を重視し、戦闘も英霊による1対1が多かった。しかしDRIFTERSでは「漂流者」と「廃棄物」という二つの軍団に分かれて世界を巡って争うため、軍団が中心となっているのが大きく違う。
なので豊久のように本人が強くて最前線で戦う漂流者もいれば、老齢であるため信長やハンニバルのように指揮や戦術、知識、帝王学で力を発揮する者もいるから面白い。それゆえ登場する英雄も、山口多聞や菅野直といった第二次世界大戦の大日本帝国海軍の将兵が登場するのも良い。
また信長はドワーフらが収容された工業都市を攻め落とす際に、以下のようなことを述懐している。
漂流者とはつまり技術の渡来者であると同時に思考の差異者だ。
ドリフターズ 9話 本気ボンバー
通信できる水晶で部隊の連携を図ったり、石壁の召喚札を攻城兵器として使った際に、思わず信長が心の中で考えたことだが、これこそドリフターズの魅力を表していると言える。ファンタジーの世界で、乱世を戦い抜いた戦国武将が勝つために色々考えたらどうなるだろうかというのが、ドリフターズの面白さの基礎になっている。
連載ペース
作品は抜群に面白いのだが、問題があるとするならば原作漫画の連載ペースが遅いこと。アニメは201610月~12月に12話が放送されたようだが、漫画で1巻~4巻に相当する。
巻数 | 発売日 |
1 | 2010年7月7日 |
2 | 2011年10月13日 |
3 | 2013年3月18日 |
4 | 2014年10月28日 |
5 | 2016年6月6日 |
6 | 2018年11月30日 |
前作のHELLSINGが全10巻で1998年~2009年まで連載していたことを考えると、それよりも遅いペースと言えそう。気長に待つほかなさそうだ。