実写映画版「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」を見て
原作漫画が終了したのを気に、実写映画版の「進撃の巨人」を見てみることにした。前評判は大変良くないのだが、心を空っぽにして視聴した。
前編と後編「エンド オブ ザ ワールド」を分けて記事を書こうと思ったのだが、特に追加すべき感想もなかったので一つにまとめることにした。
目次
進撃の巨人とは?
壁の中に閉じ籠もった人間たちと巨人との戦いを描いた漫画である。巨人たちは人間を捕食するため、非常にグロテスクな描写が目立つも、何度も危機的状況を打開していく。人類が壁に閉じ籠もった経緯や、策謀などがあって、単なるダークファンタジーアクション(魔法等は出てこない)を超えた作品となっている。
実写映画版「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」
原作漫画を元に制作された映画が「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」である。ただし原作漫画とは設定が異なっている点が多い。
- 巨人からの脅威を避けて壁の中で籠城している
- 主人公のエレン、ミカサ、アルミンなど一部のキャラの名前
が共通しているものの、かなり相違点が多い。
- 途中までミサカがどこにでもいる普通の幼馴染みの女の子
- 原作よりも個性を失い目立たなくなったアルミン
- 登場人物が全て日本人(アジア人)
- 戦後の闇市のような町並み
- 馬でなくトラックを使う兵団
- 壁を破壊して巨人が襲ってくる以外はほぼオリジナルの展開
予告編
良かった点
俳優は豪華で、どっかで見たことのある人が多い。
また原作のシナリオを踏襲せず、オリジナル路線で挑戦したのは良かった。
悪かった点
巨人
原作での巨人の動きは非常に奇抜な動きを表現しており、ゾンビとはまた違う見る者を恐怖させる不規則な動きは素晴らしかった。
ただ映画の動きは、いかにも人間らしさが出てしまい、まるでダメだった。
そもそも巨人らしい顔や体付きでもなく、コダワリが感じられない。「人間」が強く出てしまっていて、まったく巨人らしくない。
立体起動装置
シーンが合成だとすぐに分かるレベルで雑。トラックがあるのに、ワイヤーで飛び回って剣で切りつけるのも意味不明だし、説明不足だ。
ハンジ
見ていてただの痛い人になった。また新兵をあっさり見捨てて移動するなど、存在そのものが原作のハンジに対する愚弄に等しい。
シキシマ
オリジナルキャラクターのシキシマの存在価値そのもの。例えば巨人に兵士が襲われているシーンの合間に無駄な納刀アクションを披露したが、笑いを取ろうとしているなら薄ら寒いし、格好良く見せようと思っているならダサ過ぎる。
劇中では実力者的なポジションなのだが、ただの痛いキャラにしか見えない。台詞がいちいちキツイ。
ミカサ
ただの幼馴染みの女の子でしかなかったのに、巨人に襲われ食われかけた(腹部に大きな傷を負った)後、2年後にはエレンよりも強くなって再び現れた。何故シキシマと前線で戦っているのかなどの具体的な説明もなく、シキシマの愛人ポジションになっている。
最も原作との乖離が激しいキャラなので、名前を変えても良かったと思う。それくらい別人。
恋愛ドラマ風のシーン
ミカサがシキシマとのイチャイチャするシーンや、エレンが子持ちの母親に求愛されるシーンは割と意味不明。メロドラマに仕立てて、女性層へのウケを狙ったのだろうか。
感想
超豪華な俳優とCG技術を駆使して作った低クオリティの特撮映画の同人作品。
素人が趣味で制作して公開された作品ならそれなりに評価されたかもしれない。ただこれがプロが作ったものだからこそ、あまりに酷い出来で立派な黒歴史となってしまった。
原作が好きな人には到底容認出来ないクオリティだし、原作抜きで見たとしてもあまりに見どころが薄い。出ている俳優さんが好きで見るにはアリなのかもしれないが、それ以外なら見るのはやめておいた方が良いだろう。
どうやって巨人がいるなか、あんな巨大な壁を建造出来たんだろう?
原作ではちゃんと説明があったのデスガ、映画では謎のままデシタ・・・。人類が頑張って作ったのデショウ、キット。