音楽生成AI「Suno」を使う上で知っておきたい構成について

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派生元の記事

音楽生成AI「Suno」の紹介と使い方 – LV73.net

曲の構成について

曲の構成とは、1曲をどの順番でどんなパートで組み立てるか、という設計図のことだ。

小説や漫画、アニメ、映画に「起承転結」や「序盤・中盤・クライマックス」があるように、音楽にも当然「流れ」がある。

構成メタタグ意味
[Intro]イントロ/前奏
[Verse]Aメロ
[Pre-Chorus]Bメロ
[Chorus]サビ/コーラス
[Verse2]Aメロ2
[Bridge]間奏/Cメロ/ブリッジ
[Final Chorus]ラストサビ/大サビ/ファイナルコーラス
[Outro]後奏/アウトロ
Sunoの構成メタタグの例

Sunoの構成メタタグをベースに、それぞれの構成の意味について詳しく解説していく。

イントロ/前奏(Intro)

曲の導入部分で聴き手の注意を引きつけ、曲の「世界観・雰囲気・テンポ」を提示する。

雰囲気・ジャンル・感情を一瞬で提示し、「続きを聴きたい」と思わせる「フック」の役目を持つ。

歌詞はあったりなかったりする。

Aメロ(Verse)

曲のストーリーや感情の背景を描く部分。

歌詞で「状況」や「気持ち」を丁寧に伝える。

メロディは抑えめで、リスナーにストーリーを理解させる。

サビの爆発に備える「静」のフェーズでもある。

Bメロ(Pre-Chorus)

Bメロは、Aメロとサビをつなぐパートで、緊張感や期待感を高める。

メロディやリズムで上昇感を演出し、「もうすぐ来るぞ」と聴き手に予感を与える。

サビ/コーラス(Chorus)

サビは曲の核心で、聴き手が最も記憶し、最も感情を動かされる部分。

サビが弱いと曲が全部弱く感じられ、サビが強いと曲全体が強く見える。

また多くの楽曲ではタイトルがこの部分に含まれる。

繰り返し登場し、歌詞のテーマを強調する。

聴き手はサビのインパクトで曲を好きになるかが決まると言ってもよい。

Aメロ2(Verse 2)

2番のAメロはマンネリを避けつつ、物語の続きを描く部分。

最初のAメロで描かれた状況を「変化」「発展」させる。

聴き手が飽きないようにリズムや表現を変化させることもある。

「聴き手を離さない工夫」が特に重要になる。

間奏/Cメロ/ブリッジ(Bridge)

2回目のサビと最後のサビの間に入る「橋渡し」の部分。

曲の展開を一時的に変え、感情や雰囲気に深みを与える。

新しいコード進行やメロディで変化を出す。

歌詞では内省的な一言、あるいはストーリーのクライマックスを描く。

ラストサビ/大サビ/ファイナルコーラス(Final Chorus)

最後のサビは、ただの繰り返しではない。

感情・メッセージを最高潮に達させる。

前のサビよりも壮大・強調・変化をつけて終わる。

  • 1・2番より高揚感を強く
  • 転調・コーラス追加・楽器増量で「最大級」に

ここをどう締めるかで、聴き手の「また聴きたいか」に大きな影響を与える。

後奏/アウトロ(アウトロ)

曲が終わった後の、余韻のパート。

  • 静かにフェードアウト
  • 余韻を残す
  • 世界観を丁寧に閉じる

省略されることもあるが、物語性を重視する曲では非常に効果的。

曲構成案テンプレート

そのままコピーして歌詞の作成に使えるようにしておいた。

[Outro]については、必要に応じて追加して欲しい。

Sunoでは明示しなくても、たいてい

王道・標準構成

[Intro]
[Verse 1]
[Pre-Chorus]
[Chorus]
[Verse 2]
[Pre-Chorus]
[Chorus]
[Bridge]
[Final Chorus]

多くの曲で採用されているであろう、黄金パターン。

前述の通り、[Intro]に歌詞を入れるかは好みで。

聞いている側も予測しやすく、感情の流れが自然に盛り上がりやすい。

とりあえず作るならコレ。

利点

  • 一番バランスが良く、色々なテーマで作りやすい
  • 歌詞の起承転結を作りやすい
  • 最終サビで感動を最大化しやすい
  • 感情の流れが自然で、ストーリー理解がされやすい
  • サビへの“溜め”がしっかり効き、盛り上がりが強く感じられる
  • 昔から慣れ親しんだ構成で、心理的に聴きやすい
  • アニソンのテンション変化にも対応しやすい

欠点

  • 聴き慣れすぎて既視感が出る
  • 盛り上がりまでが少し長く、短時間で判断される現代のリスナーには離脱しやすい
  • Aメロが長いと中だるみしやすい
  • サビ以外が弱いと「平凡な曲」になりがち

シンプル構成

[Verse]
[Chorus]
[Verse]
[Chorus]
[Bridge]
[Final Chorus]

2分以内の短めの曲を作るならコレ。

こちらも最初に作るのにオススメ。

利点

  • 曲を理解しやすく覚えられやすい
  • テンポがよく流れるため飽きにくい
  • サビが何度も来る安心感
  • 構成が少ないため曲を作りやすい
  • EDMの「ドロップ」と相性が良い
  • どのジャンルにも適応可能

欠点

  • 展開が少ないため「単調」に感じることがある
  • 感情の起伏が小さい
  • 平坦な曲という印象を与えやすい
  • Aメロが弱いと一気に単調化する
  • 歌詞の起承転結をしっかり描くには不向き

初手サビ

[Chorus]
[Verse 1]
[Pre-Chorus]
[Chorus]
[Verse 2]
[Pre-Chorus]
[Chorus]
[Bridge]
[Final Chorus]

最初の10秒までに圧倒的なフックを作りたいときに使う。

とにかくリスナーを繋ぎとめない人向け。

利点

  • 最初の10秒までに最高のパートが来るためフックとしては最高
  • SNS時代に最適で、離脱率が圧倒的に下がる
  • 最強のフックを最初に置けるためリーチが伸びやすい
  • ボカロ・TikTok・YouTubeショートで結果が出やすい

欠点

  • 序盤にピークが来るので、その後の構成で飽きやすい
  • 感情の積み上げが弱く、「深い曲」になりにくい
  • 2回目のサビでの差を作らないと単調になる
  • 曲全体のドラマ性を作りづらい
  • サビに対する依存度が高すぎる
  • サビに入る前の世界観説明の余地が少ない

ボカロ向け

[Intro]
[Verse]
[Pre-Chorus]
[Chorus]
[Chorus]
[Bridge]
[Final Chorus]

ポイントはAメロBメロを短くすること。

歌詞密度が高く、疾走感のあるボカロ曲でよく使われる。

サビ多めで中毒性が上がるため、バズりたい人向けかもしれない。

利点

  • 短い尺でも強い印象を出せる
  • イントロ~サビまでの離脱率が低い
  • サビを繰り返すことでテーマ性が強調される
  • サビが早く来るため、中毒性が高い
  • 曲全体が常に盛り上がっているように感じる
  • 1回聴いただけで印象が残りやすい
  • ボカロらしい疾走感と情報過多感が魅力

欠点

  • ストーリー性が弱く、感動を深く作りにくい
  • 展開の多様性が少ないと「単調」に感じられる場合もある
  • Aメロ・Bメロが短く、世界観を説明しづらい
  • サビに対する依存度が高すぎる
  • 構成が短い場合、曲全体が軽く見えやすい

曲の構成を考える上でのポイント

聴き手の「感情の動き」を設計すること

曲は音の並びではなく、聴き手の感情の上下(起伏)をデザインするもの。

  • どこで静かにするか
  • どこで緊張を作るか
  • どこで爆発させるか
  • どこで余韻を残すか

サビを「強くする」にするための道筋を作ること

現代のリスナーは「サビの強さ」で曲を好きになる。

だから構成は常に、

  • サビをどう目立たせるか
  • サビへどう導くか(助走)
  • サビに向けて何を削るか
  • サビを何回見せるか

という「サビ中心」で組み立てた方が良い曲が出来やすい。

リスナーの離脱を防ぐ「序盤」が最重要

特にショート動画の世界では、

  • 最初の 5〜10秒で興味を掴む
  • Aメロが長すぎない
  • 世界観がすぐ伝わるイントロ
  • 早めにサビが来る構成も有利

「退屈な序盤」を聞いてくれる人はあまりに少ない。

曲の「目的」に合った構成を選ぶこと

目的によって最適構成は変わる。

  • アニソン:ドラマ性、起伏が大きい
  • ボカロ:中毒性、テンポが速い
  • EDM:シンプルで踊れる
  • ショート動画:サビを先頭に
  • バラード:物語を深く描写

ジャンルと聴かせたい相手で構成は決まる。

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