7Dmk2を入手した
以前からEOS Kiss X5(以下X5と呼称)を愛用していたが、そろそろ新しいボディが欲しくなってきた。
というのも、時間のあるときに野鳥撮影に出掛けているのだが、鳥が飛び立つ瞬間を収めようとして、X5のオートフォーカス(以下AF)では捉えきれない事が多かった。
そこで、もう初心者の域は脱したと思い、アマチュア向けでも最高峰の性能を誇るEOS 7D Mark II(以下7Dmk2)を、新たに入手したわけだ。
そもそも7Dmk2とはどんなカメラなのか?
デジタル一眼レフカメラの市場において、ほぼ市場を独占しているメーカーが2つある。
各種雑誌・新聞のカメラマンから町のカメラマンにいたるまで、仕事でカメラを使っておられる方は、大抵どちらかのメーカーを使用している。
スポーツや記者会見のテレビ中継などで、撮影しているカメラに注目して貰えれば、必ずどちらかになっているはずだ、いや本当に(`・ω・´)
この2社は市場において、圧倒的なシェアを誇り、また発売しているレンズの種類もその販売数も膨大な数となっている。
つまりデジタル一眼レフカメラの市場から両社が撤退する可能性が相当低く、初心者にもし勧めるとしたら、まずはこの2社を推すだろう。
で、僕はCanonを贔屓している。
理由は最初に触れた一眼レフカメラが、とある吹奏楽の演奏会の撮影を依頼された時に、貸して貰ったのがEOS 50DでCanon製だったため。
特にCanonの方が優れているとか、そういった根拠は一切ないし、僕自身はよく分かってない。
が、偶然にも僕の周りで同僚、プロカメラマンも含めて、デジタル一眼レフを持っているNikonユーザーはいないようである。
個人的に、見た目もCanonの方が好きかな。
Nikonのあの赤ラインがどうも微妙だと思ってる。
個人の主義主張は置いておいて、Canonから発売した7Dmk2を語る前に、センサー(映像素子)について語らせて欲しい。
一眼レフカメラだけでなく、全てのデジタルカメラ(スマートフォンも含む)は、映像素子と呼ばれるパーツが存在する。
映像素子はカメラのレンズを通して当たった光を、デジタル画像としてカメラに保存するための最重要と言ってもいいパーツである。
つまり、カメラの基本性能は、この映像素子に大きく左右されると言っても過言ではないわけだ。
CanonやNikonのデジタル一眼レフカメラを購入する場合、映像素子の大きさ(以下センサーサイズ)は、大きく分けて2種類存在することを知っておきたい。
(ミラーレス一眼でお馴染みのオリンパスやパナソニックが策定した「マイクロフォーサーズシステム」についてはここでは取り上げないので、リンク先を参照されたし。)
一つはフィルム時代から一般的な存在であった135フィルムと同様の、24mm*36mmのセンサーサイズを採用した「フルサイズ」である。
これは最上級のセンサーサイズであり、簡単に言えば広い面積でレンズから入ってきた光を記録するので、より鮮明で綺麗な画像を得られる。
しかし、製造コストもその分掛かってしまい、現行のフルサイズ機の最も廉価版でも10万以上は下らない。
それでもずいぶん安くなったのだとか。
一方、そのフルサイズを一回り小さくしたのが「APS-C」で、フルサイズよりもコストが安く製造出来る分、フルサイズよりも得られる画像ではどうしても劣ってしまう。
ちなみに上記の画像はそれぞれのセンサーサイズの面積比を比較してみたが、左下の一番小さい1/2.3型のセンサーは、iPhoneを含め、スマートフォンやコンパクトデジカメでお馴染みのセンサーサイズである。
もちろんスマートフォンでも優れたCPUとソフトウェアであれば綺麗な写真が撮影出来るが、センサーサイズで比較すれば、デジタル一眼レフカメラとの決定的な性能の差がお分かり頂けるかと思う。
センサーサイズ | フルサイズ | APS-C |
ボケ具合(*1) | ボケやすい | ボケにくい |
レンズの焦点距離 | 1倍(レンズに忠実) | 1.6倍(本来の画角より狭くなる) |
周辺光量(*2) | 暗くなりやすい | 普通 |
暗所での撮影(*1) | 有利(ノイズが出にくい) | 不利(ノイズが出やすい) |
価格(*1) | 高い | 安い |
*1:あくまでフルサイズとAPS-Cを簡易的に比較したものであり、APS-Cでもコンデジやスマートフォンに比べれば、遙かにボケやすいし、ノイズも出にくいし、価格も高価である。 *2:レンズの種類によって周辺光量の低下は左右されるし、また純正レンズであればカメラ側で補正出来る。 |
また少し脱線し過ぎた気がする(´・ω・`)
ところで7Dmk2を検討するにあたり、同価格帯で悩んでいた機種が、同じくCanonのEOS 6D(以下6D)というフルサイズのセンサーを搭載した機種である。
7Dmk2はAPS-Cのセンサーなので、画像の綺麗さにおいては6Dより劣ってしまう。
それでも7Dmk2を選んだのは、撮影対象が動物メインだったため。
とにかく超高速AF&連写機能が欲しかったのである。
対象があまり動かない物であったり、室内での撮影がメインだったら、6Dを選んでいただろう。
EF-SというCanonのAPS-C専用規格のレンズもいくつか持っていたのも理由になる、レンズ資産は有効に活用したいものだ。
今まで使っていたEOS Kiss X5とは?
7Dmk2と同じく、APS-Cセンサーを搭載したエントリーモデル。
要するに初心者向けの入門用カメラである。
特にX5は長い間売れ続けたことでも結構有名で、後継機が発売された後も後継機を押さえて売れ続けたまさに名機である。
3年以上売れ続ける「EOS Kiss X5」、ついに世代交代の足音が迫る!? – 日経トレンディネット
なので、当初は一眼レフ初心者だった僕にも価格的に合っていると思っていたのだが、最初に述べた通り、性能に不満を覚え始めた次第である。
ついでにKissという名前は最初から嫌いだったし、本体上部に上位機種についていた表示パネルが無かったことも、後々使っていくうちに物足りなさを感じていた。
しかしだからといって手放そうとは思ってない。
というのも7Dmk2と比較して、実感したことがある。
そう、画像でも何となく伝わってくると思うが、X5の魅力は機動力である。
比べることで一眼レフカメラでありながら、このコンパクトさ、何より驚くべき軽さに、価値を見出せるようになった。
何せ、本体(570g)とEF-S24mm F2.8 STM(125g)を合わせても、695gという破格の軽さ。
散歩から、職場にまで、気軽にどこでも持ち込めるのは、7Dmk2にはない利点である。
以下は個人的に気になった相違点。
製品名 | 7Dmk2 | X5 |
有効画素数 | 約2020万画素 | 約1800万画素 |
有効センサーサイズ | 約22.4×15.0mm (APS-Cサイズ) |
約22.3×14.9mm (APS-Cサイズ) |
映像エンジン | デュアルDIGIC 6 | DIGIC 4 |
連続撮影速度 | 高速連続撮影:最高約10.0コマ/秒 低速連続撮影:最高約9.0コマ/秒 静音連続撮影:最高約4.0コマ/秒 |
最高約3.7コマ/秒 |
AF測距点 | 65点 | 9点 |
ファインダー視野率 | 上下左右とも約100% | 上下左右とも約95% |
ファインダー倍率 | 約1.0倍(50mmレンズ・∞・-1m-1) | 約0.85倍(50mmレンズ・∞・-1m-1) |
大きさ | 約148.6(幅)×112.4(高さ)×78.2(奥行)mm(CIPA基準) | 約133.1(幅)×99.5(高さ)×79.7(奥行)mm(CIPA基準) |
対応バッテリー | LP-E6N | LP-E8 |
質量 | 約910g | 約570g |
これ以外に動画撮影機能はフルHD60fpsに対応したので、使用するチャンスがあるかもしれない。
2機種を運用するにあたって、バッテリーに互換性がないのは残念だった。
またX5で採用されていたバリアングルモニタは、7Dmk2に採用されていないため、ハイアングルやローアングルの撮影が難しくなったのも、大きな違いだと言える。
7Dmk2で撮影した写真
いつもの河川敷でテスト撮影に行ったので、その写真を何枚か載せてみようと思う。
ちなみにレンズはSIGMA製18-250mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSMである。
望遠はこれしか残っていないので、純正の高倍率ズームレンズが欲しいところである。
画角的には便利なんだけどね。
まずAF測距点が65点もあるので、適当に撮影しているだけでもピントが合う。
X5は9点しかなく、またAFも速い方とは言えなかっただけに、違いに驚く。
もちろん中央1点にして、狙って合わせることも可能である。
ファインダーの中にさえ収めれば、後は7Dmk2の超高速AFと高速連写が仕事をしてくれる。
AFサーボを利用すれば猫が近くに寄ってきても、しっかりピントが合っている。
連射機能も素晴らしく、決定的な瞬間を撮れる。
おまけで動画撮影テスト。
1080p60で撮影、何かの参考になれば。
7Dmk2の感想
感動した、良い物は良い、これに尽きる。
買って後悔するとか思ってたけど、まさに質実剛健、プロ仕様と言われて納得する圧倒的な性能。
反面、カメラの設定項目やボタン数が多く、まだほとんど使いこなせていない。
これからは本気の7Dmk2とお手軽なX5を使い分けて運用したい。